私は高校生だった。 男友達と女友達と私の三人で電車に乗って帰宅途中。 楽しく会話をしていると、開いたドアーから見知った顔が乗って来た。 何処と無く影のある女の子は、私の幼馴染みでトラウマを抱えていた。私は女の子に近付くと気さくに話し掛けた。 俯きながら小声で言葉を返す彼女。 私達は足元に吸い込まれるレールを眺めながらとりとめの無い話を続ける。私は昔から彼女に好意を抱いていた。 「ねえ、次の駅で降りない?二人で博物館へ行こうよ」 ありったけの勇気を振り絞って誘う私。 彼女は照れ臭そうに頷く。
電車がホームに入る。下車する二人。 巨大な駅ビルからのびるプロムナードを歩く。 私は内心ウッキウキなのを悟られまいと到ってクールに振る舞う。 博物館へ辿り着く迄に少し道に迷い、店員の青年に案内図の置場所を聞いた。 女の子は少し離れた所で私を見つめている。
ここで目が覚めてしまいとても悔しい思いをした。
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