コミュニケーション。
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2015年08月27日(木)




ないものねだりでクーラーの恋しい8月だったけれど、
また今夜、戻された。
理由は、「ちょっと寝づらい」だそうだ。

申し訳なかったのであえて具体的な理由を聞いてみたら、
「人間、言えないこともあるよな」だと。
私はこれですっかり参ってしまった。
私が考えうる最悪のことを考えたし、せめて、今日ではなかったら、
昨日か一昨日かに言われていたら、
こんなには悲しくなかったろうと思った。



というのも、
今日は家族で常連化している居酒屋に行ったのだが、
夫のお気に入りのギャル美女店員さんがいなかったのだ。
お休みだったのか、別の美女が接客してくれた。
夫は、たいそう落ち込んでいた。


それが、休みとわかった最初だけだとか、
代わりの美女が接客が下手で困ったとかなら、
夫が何度かため息をつくのも許せたし、
「何で店に入ったら顔を思い出すんだろう……」という台詞も、
「それはGoogle先生からもしかしてと言われるやつですか?」などと茶化せただろうと思うのだが、
今日の美女は普通にさばけた店員さんだったし(ちなみに私はこちらの美女のが好きだった、杏に激似で)
夫の落ち込みアピールは食事が終わるまで続いたのだった。
私は、話題がずっと他の女で不愉快だった。


そんな夜に寝室を戻す話である。
私が悪いこともあろうけれど、夫が呟いた台詞が甦って、離婚と言われた気がして、
これまでなら我慢できていたヒステリーが爆発した。
ひとりで声をあげて泣き、
気がついたらあっという間にクーラーのタイマーが切れる音がした。
元気にならねばならない理由が見つからなかった。
ここに居るべき理由もわからなくなった。
つくづく、私は、夫に愛されていると思えなければまともじゃいられない、
弱くてつまらない人間なのだと思った。


女のことが本気なら、ずっと話題にしたりはしまい。
それだけが僅かに正気を呼び戻したけれど、
明日からどうやって笑おう、どうやって図太くここに居ようかと考えた。
私に何度も落ち込んだ顔を見せた夫に尽くせる気がしない。
化粧をする気にもならない。
子どもに優しくできる気もしない。
しばらく実家に帰ろうかとも思った。多分、夫は引き留めない。
結婚式など挙げなければよかったと思った。
何があっても、別れても、恥ずかしさが最低限で済むではないか。


話は戻るが、
ずっと以前に、体の浮気より心の浮気のほうが許せない、別れるというブロガーさんを見て、
はぁそれはどういうことだろうと思っていたけれど、
今日の夫はまさしくそれであり、
体の浮気は多分しないだろうと思えるのが更に辛いのだった。
自分でも驚くほど傷ついた。
「他の女はもっと俺に尽くしてくれた」と言われたとき以来の感情だし、
あのときと同じように、明日からは指輪を外して暮らそうと思ったら気が楽になった。
(しかし今思うと、私は指輪を外して夫の実家へも平気で行っていたのだろうか、若かった)


娘の眠る部屋に戻ってみると、クーラーはまだついていた。
私の勘違いだった、そんなに長いこと泣いてない、と思えたら少し楽になった。
若いときほど感情に没頭はできないのだ…。


明日からの暮らし方を淡々と考える。
相変わらず、元気にならねばならない理由も、きれいにならねばならない理由も思い付かない。
何せ相手がギャル美女(今日居た美女にでさえ夫は、「あの子に比べたら他の女はどれも大して変わらない」と言った)ので、
私の努力で一体何が変わるのか。
同時に、変わるのかどうかわからないことに努力できないということは、
私の夫への感情などその程度、だとも思った。
その程度のくせに、夫にはいろいろと求めているわけで、
ちゃんちゃらおかしい話だ。
生きている価値も見いだせない。


ちょうど今日は、野沢尚がいないこの世界に絶望したのだった。




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