コミュニケーション。
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新婚のころ、仲が悪いとかでなくお互いのいびきでということで、 夫と寝室を分けたのだが、 8月に入ってから突然、夫がそれを戻した。
戻したというのはおかしいかもしれない、子どもたちは、 子どもたちだけで寝たことはなかったので、 新しい試みということになるのかもしれないが。
それを提案されたとき、私は寝ぼけていた。 アパートの構造上、 一度子どもたちは夫の寝室で眠り、 夫が寝る時間になると、新たに居間に布団を敷いて運ぶので、 たいてい子どもと寝落ちして、また起きるのだ。 その起き抜けに、 「今日は子どもだけで寝かせてみよう」と言われた。
もし私の頭がはっきりしていたら、 「えっ、今日の寝室は夫婦2人?エロい」 と思っていたと思うのだが、なんせ寝ぼけ頭、 「えっいきなり?何で?でも聞くのめんどくさい、そうしよう」 程度のことしか思いつかなかった。 そして布団を運びながら、 「えっ、今日はクーラーの部屋で寝られないってこと?辛い」 と考えていた。
結局、その初日はエロかったので、 そのためにあぁいう提案をしたのかな?と思ったのだが、 次の日もそう指示され、その次の日も指示され、 今日に至る。
初日のセックスは、いろんな意味で嬉しいものではあった。 今まで彼とのそれは彼主導であって、 まぁそこは変わらないのだけど、 彼がしたい気分であることが大前提である。
しかし初日のときは、多分、そういう気分ではなかったと思う。 そういう気分ならまず誘われるはずで、 子どもを…とかは、誘われた後に交わされるやりとりだ。 思いつきを実行して、結果夫婦ふたりの寝室になって、 そこからそういう気分になったらしい…というプロセスが、 今までになかったことなので、嬉しい。可愛い。
思いつきの理由がまた笑える。 はっきり聞いてはいないが、多分こういうことだろう。
子ども2人が小さいころは、私と3人で寝ていた。 それがこのころは両方大きくなり、物理的に無理になり、 毎晩、交代のようにして、両親のどちらかと寝ていた。
が、子どもというのは習慣を大事にする生き物なので、 父親と寝たほうが夜中に目覚めると、とととっと歩いて私の布団に移動してくるのである。 夫は、それがたいへん不満なようであった。
生まれたときからずっと私と寝ているのだし、 起きて泣き喚くわけでもないし、別にいいじゃないか、といってなだめたけれど、 こいつらは俺のことが嫌いなんだ、とふてくされていた。 そういうことではない…という毎日に、あの提案である。 夜中にとととっという足音に、もう傷つきたくないのだろう。
というわけで初日以外は特にエロくもなく一緒に寝ている。 昨日だかおとといだかは寝相で迷惑をかけたようだ。 そもそも、いびきはしていないのか?と二日目に聞いたら、 していないとのことだった。 寝室を分けている寂しさを何度も泣いてきた。 愛されていないということかもしれないと声を殺して泣いた。 セックスレスも長かったし、一応悩んでいた。
悩むことすら忘れたころに叶う。 いざ叶ったらこんなものか、と思う。 全てのないものねだりの果ては多分こんなものだ。
私は ひたすら クーラーが 恋しい
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