コミュニケーション。
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2006年11月30日(木) 取捨選択




昼間、寺島が家に来て、
私がバイトに出なきゃならない時間までべったりであった。


寺島の顔を見たら、
峰さんは吹っ飛んでしまうだろう、と思っていたけど、
そうでもなく、
要所要所で彼の顔を思い出していた。



当の寺島は、
ユミちゃんの態度に困りつつ、
ユミちゃんと真逆な私を褒めつつ、
だからと言ってユミちゃんと別れる気もないようで、
彼の未来にはまだユミちゃんがいるようだ。


しかし私に彼氏が出来るのは嫌らしく、
出来たら(私を)襲うとか言うし、
私が必要だと妙にアピールしてくるし、
マリちゃんといると楽しいとか言うし、
まぁ要するに、
今の状態を崩したくないらしい。




「彼氏出来たら、会わないよ。

私は、浮気はしないから」




峰さんとの展開を望む私なので、
つっこみどころはあるが、
とりあえず言った。



寺島は、黙っていた。
どこまで私の感情を推理することが出来るだろうか。





**************



ここにも書いたけれど、
峰さんは、
私の希望の光で、未来の象徴で、
逆にいえば、そうでしかなかった。


だけど、
私が距離を縮めようとするたび、
本当に、少しだけ縮まって、
だんだんと彼がリアルに、私のなかに存在するようになって。


彼の考え方、セリフ、しぐさ、
今はまだどれも私の心をつかんでいる。



…彼のことがうまくいかなかったとき、
私は、
「あぁ、寺島を待っていればよかった」
と思うんだろうか。
そんな恥知らずな感情を持つんだろうか。

そうは思わないと覚悟して望む事も、
選択なのだと思うのだが。




臆病な私。





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