コミュニケーション。
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昼間、寺島が家に来て、 私がバイトに出なきゃならない時間までべったりであった。
寺島の顔を見たら、 峰さんは吹っ飛んでしまうだろう、と思っていたけど、 そうでもなく、 要所要所で彼の顔を思い出していた。
当の寺島は、 ユミちゃんの態度に困りつつ、 ユミちゃんと真逆な私を褒めつつ、 だからと言ってユミちゃんと別れる気もないようで、 彼の未来にはまだユミちゃんがいるようだ。
しかし私に彼氏が出来るのは嫌らしく、 出来たら(私を)襲うとか言うし、 私が必要だと妙にアピールしてくるし、 マリちゃんといると楽しいとか言うし、 まぁ要するに、 今の状態を崩したくないらしい。
「彼氏出来たら、会わないよ。
私は、浮気はしないから」
峰さんとの展開を望む私なので、 つっこみどころはあるが、 とりあえず言った。
寺島は、黙っていた。 どこまで私の感情を推理することが出来るだろうか。
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ここにも書いたけれど、 峰さんは、 私の希望の光で、未来の象徴で、 逆にいえば、そうでしかなかった。
だけど、 私が距離を縮めようとするたび、 本当に、少しだけ縮まって、 だんだんと彼がリアルに、私のなかに存在するようになって。
彼の考え方、セリフ、しぐさ、 今はまだどれも私の心をつかんでいる。
…彼のことがうまくいかなかったとき、 私は、 「あぁ、寺島を待っていればよかった」 と思うんだろうか。 そんな恥知らずな感情を持つんだろうか。
そうは思わないと覚悟して望む事も、 選択なのだと思うのだが。
臆病な私。
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