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2005年01月10日(月) 私にも「イメージ」ってもんが。(後編)

※ 前編はこちら

有修正もろくに見たことがないのにいきなり無修正なんて、ちょっと刺激が強すぎるんじゃないかしらー。
わくわくしながらCDをセットした私は数十分後、ある発見をすることになる。それは、「へええ、男の人ってこんなもんで満足できちゃうんだ」というものだ。
こんなもん、というのは内容のハードさの程度を指しているのではない。出ていた女の子がたいしたことなかったという意味でもない。
私の目にそれはあまりにもちゃちに映った。こんな幼稚なつくりのものでなにかを満たすことができるなんて、という驚きである。
私の見たものがたまたまそうだった、というわけではないと思う。目の肥えた友人がこれぞと思うものを焼いてきてくれたのだから。
「男の哀しさがわかると思うよ」
彼が苦笑しながら言っていたのを思い出した。

「あれねえ、ぜんぜん物足りんかったわ」
私にそう言わせるのは「リアリティのなさ」、この一点に尽きる。
どの話も出だしが唐突である上に、状況があまりにも不自然なのだ。女の子がいかにもなエプロン姿でキッチンに立っているとか、密室で男性に取り囲まれてはしゃいでいるとか。こういうものに辻褄など求めてはいけないということはわかっていても、
「調理器具のひとつも置いてない、こんなモデルルームみたいなキッチンで料理をしてるって設定にしようったって無理がある」
「ヤメテって……。まるでその気がなかったら男の人(これがまたいやらしそうな顔をしているのだ)が何人もいる部屋にひとりでのこのこやってきやしないでしょうに」
といったことを考えずにいられない。私がそれを楽しむためにはなによりもまず、この「ありえなさ」をなんとかしてもらう必要がありそうだ。“行為”に至る必然性というやつがないと、白けるばかりなのである。
というようなことを友人に言ったら、
「すごく女性的な感想だね。男はストーリーなんか二の次で“本番”を重視するから、そんなシーンがあっても早送りしちゃうよ」
と返ってきた。うん、これはよく聞く話である。
しかしながら、再生ボタンを押すや否や核心、なんていうのは、フレンチレストランで席に着くなりフルコースのメインを食べるようなものではないだろうか。
アペリティフで食欲を増進させ、オードブルをつまみながら「どんなものが出てくるのかしら」と期待を高める。すなわち、メインの美味しさは“おあずけ”されることによってさらに増すのである。いきなりオマール海老や牛フィレ肉が出てきたら、私はなんてもったいない!と思うに違いない。
先生に「今日これから遠足に行きますよ」と言われるのと、指折り数えて一週間を待つのと、楽しみの総量はどちらが大きいだろう?何事においても「空腹は最上のソース」なのだ。
こういうものを見るとき、男性は自分が男優になったつもりで見ているのだろうと想像する。そして女性もまた、画面の中であれこれされている女の子を自分に置き換えるのではないか。第三者的視点で眺めているだけというのでは、わざわざそれを見る意味はないだろう。
それゆえ、現実味のない設定と説得力のない展開に突っ込みを入れているうちに終わってしまったのはちょっぴり残念であった。
とレポートを締めくくったら、
「なるほど。じゃあ小町さんには日活ロマンポルノ系が向いてるかも。あれはそれなりにストーリーがあるからね」
だって。

「で、この話、ぜひ日記に書いてね」
友人がすまして言う。
「えっ、それは無理!一応、私にも四年間培ってきたイメージってものがあるわけよ」
即座に拒否したが、敵も「アクセスは確実に増えるよね」「小町さんの別の一面を見せられると思うけどな」としぶとく食い下がってくる。
「だって、なんて書いたらいいのよお。『○○日記の××さんからエッチなDVDをもらったら、こんなこんなでした』って?」
そのとたん、彼の顔色が変わった。
「あっ、いや、僕の名前を出すのはちょっと……」
んまあっ、自分だけ爽やか路線を守ろうっていうわけ。憤慨する私。そうは問屋が卸すもんですか。(→この方

なあんて、一瞬どきっとさせて仕返しを果たしたところでこの話はおしまい。
図らずも今日は成人の日。うちにしてはめずらしく、ちょっぴりアダルトな話をお届けしました。