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2003年10月24日(金) だから、会いたい。

深夜に届くメールはうれしい。胸にぐっとくるものを感じることさえある。
あたりが寝静まり、猫の鳴き声ひとつしない一時や二時までひとりきりで起きていると、なんとはなしに人恋しい気分になる。そのため、その時分に届くメールには昼間受け取るそれには持つことのない感慨を覚えるのだ。
ああ、ついさっきまで私のことを考えてキーボードを叩いてくれていたんだ……。
そう思ったら、私がタイムリーにメールを受け取ったとは思っていないであろう相手に、自分が「ここ」にいることを知らせたくなる。実際、「いま、パソコンの前にいました」とひとことだけのメッセージをその場で返してしまうこともある。
昨日もそんなハッピーな夜だった。日記書きの友人から届いたメールを読み、わーいと小躍りした私。その人は海外に住んでいるのだが、来年帰国する、関西に住むことになりそうなのでよろしく、とあったのだ。
コンタクトの頻度や会ったことのあるなし、相手が自分をどう思っているかといったこととは関係なく、私を精神的に無防備にさせてくれる人がたまにいる。彼女は私にとってそういう存在である。
私は彼女はこちらには友達がいないだろうと勝手に決めつけ、すぐさま「おーし、私が遊んだげるかんね!」とメールを送った。

実りの秋だなあと思う。といっても、スーパーに並ぶ新さんまや松茸の話ではない。
自分で言うのもなんだが、サイトをはじめて三年、こつこつと積み重ねてきたものが実を結びはじめたのかなと思うことが最近ちょくちょくある。ここにきて素敵な出会いがいくつもめぐってきているのだ。
このところ、私は「会うこと」の威力を実感している。顔を合わせた瞬間に、ぽーんとなにかを飛び越えてしまう感じ。文字のやりとりだけでは見られなかった世界が目の前にぱあっと開けるのだ。
サイトの中の書き手が実物そのままということはほとんどないだろう。特定の部分が表出、強調されることによって作られたかりそめの人物である。
たとえば、初めてメッセージをいただいたとき、どんな人だろうとプロフィールを見に行き、恐怖のあまり思わずウィンドウを閉じてしまいそうになったこの方。実際にお会いしてみると、見た目からはちょっと想像できない内側を持っておられ、私はとても驚いたのであるが(今後会うのを楽しみにしている方もおられるかもしれないので、具体的に書くのは控えよう)、それを文字のやりとりや伝聞から知ることはたぶんできなかった。
こうしたギャップの発見がいかに世界を広げるか、大きな喜びにつながるか。だから、私は本物に会いたいと思う。
先日、ひさびさに「うわ、これはすごい」と思う日記に出会った。その日のうちに過去ログを読破するなんてまずないことだが、さらにありえないことに初メールで「いつかお目にかかってお話したい」なんて言ってしまった。
こういうとき、自分が女でよかったと思う。男性の日記書きさんから、「ナンパと勘違いされるのが怖くて、女性の日記書きさんをオフに誘えない」という話を聞くことがときどきあるのだ(まあ、逆ナンだと思われる可能性もないわけではないが)。
こうと思ったときの瞬発力には感心するやらあきれるやらだが、「もっと知りたい」と思えば、私はこれからもアプローチをするだろう。文字での会話に留めておくのと実際に会うのとで、その世界はモノクロとカラーほどの差があるってわかったんだもん。
失敗したってかまわない。そうやって見る目を育てていくから。

というわけで。
今年のうちに『風来坊』の手羽先が食べたくなるような予感が、なんとなくなんとなーくしているの。名古屋近辺にお住まいで小町さんからラブコールのかかったことのある方、狙われていると思って気をつけ……じゃなかった、その際はどうぞよろしく。

【あとがき】
会うと会わないではぜんぜん違う。もっと親しくなりたいと思う人がいるなら、ごちゃごちゃ自分に言い訳していないで、勇気を出してとにかくいっぺん会ってみる。顔を見た瞬間に、言葉を交わした瞬間に、二の足を踏んでいたいろいろなことが杞憂だったとわかると思います。失敗したらそのときはそのとき。そうやって勉強していけばいい。