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2003年10月15日(水) ボウリングOFF開催(オフレポ後編)

前編はこちら。

投げたあとは、飲む。というわけで、お初天神通りの居酒屋にて二次会。
「飲み放題ですからガンガンいってくださいね」「はあーい!」なんてやっているうちに、「てあとる ちょむ」のちょむさん登場。
お友達の披露宴に出席した後、駆けつけてくれた彼女はピンク色のサテンのワンピースに女っぽくアップにした髪。あの一座の中で彼女がひときわまぶしく見えたのは、揃いも揃ってジーンズ姿の女性陣がレフ板の役割を果たしたからだろうか(なんて言ったら、「隣に座ってた小町さんが最強のレフ板だった」と言われてしまいそう)。
これで本日の参加者が全員集合。今回のオフ会の趣旨は「日記の読み書きを趣味とする者同士、にぎやかに遊びましょう」で、とてもくだけた集まりだった。なので私は幹事と名乗るほどの仕事はしていないのだけれど、一応乾杯の音頭を取らせてもらい、二次会がスタート。
自己紹介を兼ねて日記読み歴や、メンバーの中に以前からの知り合いはいたかといったことをみなで話していたのだけれど、うちの一人が「参加者リストが届いたとき、愛読日記の作者さんが二人も入ってたからヤッター!と思った」と言うのを聞いてうれしくなった。
行きつけのサイトのリンクページに載っている日記を訪ねたら相性がよかった、というのはよくある話だ。こういう偶然があってもちっとも不思議はないのだが、それでも一回のオフ会でブックマークの中の三つの日記の書き手を制覇するというのはかなりのラッキーではないかしらん。
さて、この二次会では日記関連以外にもいろいろ面白い話をしたのだけれど、とりわけ私が身を乗り出して聞いたのはやはり「会ってみて実物はどうだったか」についてのみなの回答だ。
ギャップはあった?と尋ねながら、私はひそかにこんな言葉を期待していた。
「こんなオンナっぽい人だったなんてびっくりしました」
「知的で大人の女性って感じ。テキストのイメージ通りですね」
誰か一人くらいそう言ってくれるのではないか、と。なんといっても私は今日の幹事なのである。が、そうは問屋が卸さなかった。
見た目について、「思ってたより若かった」と言ったのはあずみさん。「あら、そう?」と相好を崩したのも束の間、彼女は無邪気にこう続けた。
「だってプロフィールのところの横顔の絵、老けてますよねえ。あれ、顎のあたりの肉がたるんでません?」
ひえー。なんてことを言うんだ、この人は。
「た……たるんでなんかないわよ!」と涙目で反論しながら、ショックのあまりテーブルの上のジョッキをドミノ倒ししてしまいそうになった。
すると、今度はまぁこさんがこんなことを言う。
「眉毛ボーン!化粧バッチリー!のいかにも姐御って感じの気の強そうな顔してるのかと思ってた」
そりゃあね、私はお世辞は嫌いだって言いましたよ、言いましたけどね、あなたたちの辞書に「立てる」という言葉は載ってないわけっ。
忌憚のないコメントの数々。サイトの中の自分の姿をこんなにはっきり鏡に映してみたのは初めてである。
「じゃあさ、中身についてはどうだった?」
気を取り直して尋ねると、こちらは見た目以上に大きなギャップがあったらしい。
「ゆっくり話す人かと思ってたら、わあーっとしゃべる人だったから驚いた」 (藤さん)
「もっと静かで落ち着いた感じの、古風な人を想像してた……」 (そうさん)
「テキストより十数年若く見えた。大学生のコンパの世界そのままに生きている人だな、と」 (江草さん)
「あまりにも……気さくで……」 (mamacchiさん)
近寄りがたい雰囲気の人かと思っていた、というメンバーの共通見解に、「そんなことないって。私ほどフレンドリーな人間はちょっといないよ。ねえ、そうでしょう?」とちょむさんに同意を求めたのは、彼女が私よりうんと年下だったから……というわけではない。それなのに、「あ、は、はいっ、小町さんはメールではす、す、すごくフレンドリー……」としどろもどろになりながら答えた彼女にみなから同情のまなざしが注がれた。
これはもうほとんど断言できるのだけれど、オフ会に出席するたびに私という人間の重みのなさが知れ渡っていくようだ。その場に居合わせた人だけでなく、オフレポを読んだ人にも。江草さんは私のことを「年齢以上の風格を感じさせる人なのでは」と想像してくださっていたそうだ。そんな話を聞くと、ちょっぴり申し訳ない気が。
しかし、われながら悪趣味だなと思うのだが、文章だけで作り上げられた誰かの中のイメージを破壊し、「こんな人だったの!?」と驚かせるのが嫌いではないのである。

今回のオフ会、「現在誰々が参加表明してくれています」といった経過報告はしなかったので、申し込みのメールを送るのはさぞかし勇気がいっただろうと思う。実際、オフの直前にメンバーの一人から「浮いてしまったらどうしよう」とメールが届いたこともあった。
しかし蓋を開けたら当の彼女が一番のムードメーカーとなっており、日記には「勇気出してよかった、ほんまに。会えて本当によかったもん」と書いてくださっていた。
胸がいっぱいになる。帰り道、私も同じことを考えていたから。参加者を公募するなんて無謀なのでは……と思っていた。危険だ、参加者に迷惑をかけるようなことがあったらどうするんだ?人数が集まらないかもしれないという不安もあった。それでもやってみたかった。
「案ずるより産むが素敵」
私はこれからたくさんのシーンでこの言葉を思い浮かべることになるだろう。
さちさんはじめ何人かの方が「世界が広がってうれしい」と言ってくれたけれど、こちらこそ大きな糧をもらいました。みんな、本当にありがとう。

■ こちらのオフレポもぜひご覧あれ。
歯医者さんの一服/そうさん   (そうさん、パワーボウラーの割にスコアが……あ、いやいや)
てあとる ちょむ/ちょむさん  (う、う、後ろ姿を褒めてくれてありがとう。うう……)
ええんちゃう/まぁこさん   (そうそう、どうせならやらずの後悔よりやっての後悔です)

【あとがき】
三次会をした帰り、駅に向かって歩きながらひとりに尋ねる。「誰が来るのかもわからなくて、参加表明するとき不安だったでしょう?」そしたら、「でも、小町さんとこ読んでてこういうとこ来る人に、そんなおかしな人はいないだろうって思ってたから」と。この「漠然とした安心感のようなもの」が損なわれることのないように、私は努めていきたいなあ……と思ったのでした。