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2003年10月13日(月) ボウリングOFF開催(オフレポ前編)

覚えておいでだろうか。八月の終わりにここで、「サイト持ちもロム専門も関係なし、『日記の読み書きが趣味』という共通項を持つ人たちでボウリングしませんか?」と声をかけたのを。
土曜の午後、どんな人が何人来るかもわからない、そんな正体不明の集まりに単身で申し込んでくださった勇気ある方々が梅田に集結した。
今回のボウリングOFFのメンバーは総勢九名。日記書きさんは「教師EXAの秘密の部屋」の江草乗さん、「歯医者さんの一服」のそうさん、「てあとる ちょむ」のちょむさん、「e*toile」の藤さん、「ええんちゃう」のまぁこさん。ロム専門の方は、あずみさん、さちさん、mamacchiさん。そして、幹事の私。

初対面の人間が待ち合わせをするとき、重要なのは目印だ。
約束の場所は某百貨店の正面玄関。そこは人の往来が激しい上、私は携帯電話を持っていない。そのため、確実に「あ、小町さんだ」と識別してもらえるなにかをみんなに提示しておく必要があった。
しかしながら、これといった身体的特徴のない私。どうしたものかと考えあぐねていたところ、オフ会連絡用に設置した掲示板にメンバーのひとりのこんな書き込みを見つけた。
「では江草さんを目印にします」
思わず膝を打った。江草さんはサイトに写真を公開しておられ、当日もトレードマークのハンティング帽とグラサン姿でお越しになるとのこと。これ以上の目印があるだろうか。
そう思ったのは私だけではなかったらしい。その後、「私も江草さんを探します」という書き込みがぞくぞくとつづき、本当に「じゃあ当日は江草さんの元に集合」ということになってしまった。
私は待ち合わせ場所に着くやいなや、あ!と声をあげていた。一秒でわかった。“人間目印”江草さん(本当にそのままだった)を囲むように男性ひとり、女性三人の姿があった。そうさん、さちさん、まぁこさん、mamacchiさんである。
一次会のボウリングからの参加者は七人なのだが、約束の十分前ですでに私は六番手。一番乗りのまぁこさんは三十分も前に到着していたそうだ。
「もしみんなが見つからなかったらね……」と言いながら、そうさんがおもむろにカバンの中から取り出したのは歯科用ミラー。銀色の棒の先に丸い鏡のついたあれだ。
「これをかざして探そうと思ってたんですよ、フッフッフッ」
ひと目見て「まあ、イメージ通りの人だわー(実直で優しそう)」と思ったのだけれど、かなりひょうきんな方のよう。ひさびさのボウリングに備え、診療所で投球の素振りをしていたらスタッフに目撃され、笑われてしまったのだそうだ。
そうこうしているうちに京都組のひとり、藤さんが到着。七人揃ったところで意気揚々とボウリング場に向かった。
男性がちょうど二人。というわけで、女性陣はグッパでチーム分け。江草さん率いる「言いたい放題チーム」は、さちさんと私。そうさん率いる「歯医者さんチーム」は、藤さん、まぁこさん、mamacchiさん。これで対抗戦を行うのだ。
私はみんなの闘志に火をつけるべく、声高らかにゲーム開始宣言をする。
「さあ、みなさん、死ぬ気で戦ってください!勝ったチームにはどんないいことが待っているかというと……」
一同、ごくり。
「小町さんのオフレポにすてきに書いてもらえまあす!」
肩を落とす音まで聞こえたように思ったのは気のせいだろうか。
リーダーの投球でいよいよゲーム開始。昔はサークルの仲間とこんなふうに男女入り混じってよく遊んだよなあ……と思わず遠い目をしてしまったが、みんなにとってもこういう集まりはひさしぶりだったのかもしれない。顔を合わせて一時間ほどしか経っていないというのに、誰かがストライクを出せばチーム全員でハイタッチ。不思議な力が働いて私が四フレーム連続マークを出したときには、あちら側から親指を下に向けての大ブーイングが。もう少し人数がいたらウェーブもやりかねない……と空恐ろしくなるほどのハイテンションだ。
途中、女だてらに誰よりも重い十二ポンドのボールを操るまぁこさんから、幹事の元にクレームが入る。
「リーダーのそうさんが、二投目はあそこを狙えだのどこから投げろだの、後ろからやいのやいのうるさい。なんとかしてえ」
そういう問題はチーム内で解決するように、と却下しながら、予想以上の打ち解けぶりにうれしいやらホッとするやら。瞼の奥がちょっぴり熱くなってしまった。
おしゃべりに花を咲かせすぎたために、「二ゲームでしたら十分なお時間です」と言われていた八十五分を十分も延長して、ようやくゲーム終了。結果は百十四ポイントという圧倒的な差をつけて、わが「言いたい放題チーム」の勝利。
こんなことならまともな「賞品」を考えておくんだった、と唇を噛みつつ、二次会からの参加メンバーの一人、あずみさんと合流、居酒屋へと向かった。 (後編につづく)

【あとがき】
書き手同士の交流は盛んだけれど、サイトを持たない読み手が参加したオフ会の話はほとんど聞かない。だけど私はロム専の方にも会ってみたかったし、横のつながりを持たないその人たちが『われ思ふ ゆえに・・・』を通じて知り合って、もし日記読みにさらなる楽しみを見出すようになってくれたら、こんなにすてきなことはない。そんなわけでサイト上で参加者を募ってみたのです。