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2003年07月28日(月) ひとりでは気後れする場所(後編)

日記を書いている人はわかってくれると思うのだけれど、読み手からどんな反応が返ってくるかと胸をどきどきさせながらテキストを更新する日というのがたまにある。
たとえば何事かに対して少々きつい調子で意見したときや、賛否を問うたり意見を求めたりするアンケートを実施したとき。そして前回、私はやはり緊張していた。
なぜって?「ボタンを押してくれる人なんていないんじゃないか」が胸の中にあったからである。
「○○についてどうお考えですか」のようなアンケートをするときは、いつも「賛成派が多数だろうな」とか「こんな主張が出てきそう」なんてあれこれ予想を立てるのだが、あのボタンを押してくれる人がいるかいないかについてはまったく見当がつかなかった。
私はいまだかつてサイトを持たない読み手が参加したオフ会のレポートを読んだことがないのだけれど、日記書き同士だけでなく、書き手と(サイト持たずの)読み手が交流できる場もあったらすてきだなあ、と以前から思っていた。そこでああいった提案をしてみたわけだが、「いいわね、それ」と言ってもらえる自信はまるでなかった。
相手とほどよい距離を保つことでわずらわしさを回避できるというのがネットの中の人間関係の特徴であり魅力でもあるのに、「会う」なんていう面倒くさいことを望む人なんていないのではないか。ましてや私などに、という思いがあったのだ。
しかし、あんなふうにお伺いを立てた以上、結果は発表せねばなるまい。もしゼロだったらちょっとかっこわるいなあと、私はかなりどきどきしていた。
結果はどうだったか。ボタンを押してくださった方が32名、その他メールでもいくつかいただいた。「金曜に出張を入れます」「三連休のときを希望」なんて言ってくださった遠方にお住まいの方もいて、もちろん冗談半分とはいえ、とてもうれしかった。
ボタンには「最少催行人数に達したら、秋になにか企画するかも」と書いておいたのですが、喜んでやらせていただきます。といっても、あらたまったオフ会にするつもりはなくて、サイト持ちもサイト持たずも関係なしの、「日記の読み書きが好き」という共通項を持つ人たちが集まってわいわいするお気楽なものにしたいと思っています。
ひとりでお酒を飲む店に入るのって勇気いりますよね。場違いだったらどうしよう、自分ひとり浮いちゃったら、なんて思ってしまうので、私は無理。だけど、もしひとり客限定のバーがあったら。ちょっと立ち寄ってみようかしら……という気になりそうです。
入る前はドアの向こうは暗くてよく見えないから不安があったけれど、思いきってドアを押してみたら、なんだ、ほんとにみなさん初顔合わせなんですね(ホッ)、みたいな。この集まりにもそんなイメージを持っていただけるといいな、と一応マスターであるところの私は思っています。
九月の半ば過ぎまではぱたぱたしているので、下旬から十月の三連休あたりまでのあいだをねらっています。詳細は八月中にここでご案内しますので、「お、その日空いてる」という方はぜひ。

【あとがき】
私はいまけっこう自由な時間がある身の上なのですが、これがずっと続くわけではないことはわかっています。だからいまのうちにやってみたいことは全部やっておこうと思っていて、今回の件もそのうちのひとつ。
最近よく思うんです。「チャンスはめぐってきたそのときにつかまえないと」って。勇気が出なかったり気後れしたりしたとき、つい「また機会はあるだろう」なんて自分に言い聞かせてしまいそうになるけど、二度と訪れないチャンスもある。今回32名の方にボタンを押していただきました。実際に参加してくださるのはこの半分になるのか、三分の一になるのかわからないけど、いっぺんやってみるかという感じで思っています。よかったらいらしてね。