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■ ツバサ
さっき、神様にお預かり頂いていた翼を返してもらってきました。 と、言ってもまだ直接は行けてないのだけれど。 現在の阿結はまだまだ気持ちの整理がついてなくて、負の感情に負けてしまいそうな時があるから、それに打ち勝ってから、行こうと思います。
あの日、阿結の中の彼女は、もう自分に還る場所がないという現実を突き付けられ絶望し、自らの消滅を願いました。 彼女の翼は折れて飛べなくなりました。 同じくして器である阿結も深傷を負い死を願うようになりました。
彷徨い続ける私達の魂を見るに見かねたお社の住人がこちらへおいで、と、お社へ導いてくれました。
お社の神様は言いました。 今のお前達にこの翼は大きすぎる。 今のお前達には扱えまい。 だから私が預かろう。 傷が癒えるまでここでおやすみ、と。
そこは人々が心の闇をさらけ出し神に負の祈りを捧げる場所。 本来ならば、近付く事すら畏れ多い場所。 でも、何故でしょう? 私達は安堵し神様の元で眠りにつきました。 毎夜、イレモノの体が眠りにつくまで私達の魂は神様の元にいました。 明け方になると、導いてくれた住人が、さあお帰り、此処から先へは入ってはならない、引き込まれてしまうよ、とイレモノに還るよう言いました。
イレモノも私達と呼応するようにぼろぼろになっていきました。 それでも一度だけ神様の元へ、イレモノと共に行き、皆の幸せを祈りました。
その後、阿結の中の彼女は深い眠りにつき、阿結は闇の中に堕ちていきました。 神様の元へ行く事もなく、闇の中で、ただひたすらに自身の死を願い、イレモノを傷つけ、彼女のように眠りに逃げる毎日を過ごしていました。
そして今度は強烈な負の感情に突き動かされ、阿結は生まれ変わりました。 壊れるならとことん壊れてしまえ、と。
少しして、彼女も目覚めました。 彼女は阿結とは違い、もう一度飛ぼうと、きっと未来であの人は私を待っている、と希望を持って…
私達は正確には3人だけれど、主には2人で1人。 彼女の希望と阿結の負の力で私達はもう一度動き出しました。 イレモノも少しずつ治ってきました。
神様が言った通り、彼女の翼は大きすぎて、根元は血で染まる程、深く突き刺さっています。 それが阿結と彼女にとっては生きるという事。 痛みは私達が生きている証。 だから、後悔はしていません。 開き直ったのかもしれません。 あと少しだけ、この生き地獄を楽しんでやろうと。 彼が言った魂の輝きというモノを私達はまだ見つけ出せていない。 それを彼に見せなければ彼は納得しないでしょう。 また追い返されてしまうのは嫌だから。 散るのはそれからでも遅くはないだろうと。
彼女が解放されるのは阿結が死ぬ時。 彼女はその翼で彼の元へ戻るのでしょう。 そこに彼女の幸せがあるのか、絶望があるのか、今はまだわかりません。 でも、阿結は彼女の幸せを願います。 阿結が成せなかった事を代わりに彼女が成してくれる事を願って…
2016年04月04日(月)
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