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2005年11月04日(金) 小さな夜の庭。


息子が生まれて少しして、私は庭に植物を植え始めた。
随分色々な物を植えたと思う。『植え』はそのまま『飢え』で
あったのだろう。土に触れていれば癒された。
季節の花が咲く事も楽しかった。

小さなシャベルで土を一すくいしては花の根と一緒に『何か』を埋める。
埋めた物が何であれ、咲くのは花だけなのだから良いではないか。
それが私の昼間の庭だ。

何時のころからか庭に出ると 鼻水とくしゃみが止まらなくなる。
シラカバとスギ花粉で調べたが、アレルギーはないという。
だが、庭に出ると、やっぱりくしゃみ、鼻水。
だんだんと、子供にも手の掛かるようになり、私は庭から遠のいた。

今年は庭にある、大きなモミの木を移動した。うちに来た時も
大きな木だったが、10年経った。相応の場所に移動する事を造園屋
さんから提案されたのだ、他にも数本木を入れて、庭は見違えるように
良くなった。

傷んでいた芝を剥がし、黒土を入れた。そこに増えすぎたデージーを
一面に埋め込んでゆく。私と息子と祖母の3人での作業だ。
小さい頃、春先の冷たい風を庭で受けて、泣いていた息子は 今年
学校で朝顔を育て、種を取る事を学んだ。デージーの植え込み方を
教えると、その通りにやっている。
「春が楽しみだなあ」
「忘れな草も咲くんだよ」


さっきまで私は、夜の小さな庭の前に座っていた。
昼間の庭では鼻水が出るが、ここではそう言う事はない。
ちょっと目が疲れ、肩が凝る事は仕方ない。
ただ、ここには花が咲かない。
これで満足すべきと言う、結果や区切りにあたるものがない。
それでもここが、やっぱり今の私にとっては庭なのだ。






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