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2005年11月01日(火) 読書の秋。


読書の秋だ。だがちっとも本を読んでない最近の私。でも活字中毒だから
気が付くと手元には親父週刊誌。駄目だこりゃ。

良く本を読んでいる若い方とお話をする機会があり、自分が読んで来た
作家もろくに思い出せなくなっている事に気が付いて唖然とする。
PCに向かう時間が長くなった事、子供が小さいので気忙しい事などを
言い訳にしているが、もう一つ大きな言い訳として、一緒に書店めぐりを
していた方が、突然亡くなったと言うのもある。

そもそも私が本を読み出したのは遅い。中学3年頃からであったように思う。
高校に入学し、友人に筒井康隆の本を貸して貰う。ここから私の読書歴は
始まった。ちなみに書名は『メタモルフォセス群島』である。
高校では読書感想文の提出が義務付けられていた。私は国語担当の先生に
「筒井康隆で書きたいんでけど、駄目ですか?」と聞きに行った。
結果は駄目。課題図書から選んで書けと言う。

それで図書室で激しくくだを巻いた憶えがある。「なんでだよう」みたいに。
課題図書はどれもお堅い。図書室でこっそり固まって医学書読んでる男子を
こっそり観察している方がよっぽど面白い。
不貞腐れる私に、同じクラスで成績がとても良かった男の子がアドバイスを
してくれた。 「詩なら短いから、詩集にすれば?」
そして「これが課題にあったから」と一冊の詩集を手渡してくれたのだ。
三好達治の詩集であった。

いやいや読み始めたのに、すっかり好きになってしまった三好達治。
だから感想も ちゃんと真面目に書いた。
ところがどうした加減か、その感想文が市の何とか言う賞を取ってしまう。
あとにも先にも、私が貰った賞の中では一番大きかった物だ。
詩集を勧めてくれた男子の顔を 恥ずかしくてしばらく見られなかった。
翌年は図々しくも賞狙いでやったが、これは佳作止まりであった。
下心があっちゃあ駄目なんだなあ。
今度はちゃんと課題図書からJ・ガンサーの『死よ驕るなかれ』を選んだ。
この頃から、読書自体が楽しくなり始める。

私の読書の特徴は『短編限定』と言う事だった。長編はほとんど読まない。
アンソロジーを好んで読んだ。
『幻想小説』と言うジャンルで括られている話が好きで、これはファンタジー
とは、また少しニュアンスが違う。どこか不可解で理不尽で、美しいが
必ずどこかが恐ろしく、その恐ろしさや美しさを競うような小説だ。
ブラッドベリはSFも書いているけれど、美しい幻想小説も多く残した人だ。
ティム・バートンとJ・デップで話題の チャーリーとチョコレート工場の
原作者R・ダールも怪奇幻想系の短編の名手である。
私は本の読み方が汚いのでどの本もあっと言う間にぼろぼろとなり、そして
度重なる夜逃げな生活のため、多くの本を捨てて来た。
人には結構びくびくな私だが、本には随分横柄でぞんざいだった。
それだけ本は 自分にとって気楽な存在であったのだ。

アンソロジー系の本を多く読んだため、収録作の中には『代表作はこれだけ』
と言う作家も随分混じっていた。どうしても玉石混交な作風になる人も
いる。だが玉があるだけましなのだ。その玉の部分だけを選び抜いて
読めるのだから、選者の好みとさえ合えば、アンソロジーはとても楽しい
読み物である。
20頁ほどの宝石のような物語を夢中になって読んでいたのは30になる少し
前までであったろうか。

今年の秋は残った古い本を引っ張り出して来て、また読んでみようか。
あまりの扱いの悪さに、どの本も分解寸前だけど。
好きな書物に没頭する時と言うのは、帰りたい場所に帰れた時に少し似ている。











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