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通知表、昔は通知箋って言ったんだよね、確か。 「あゆみ」って名前だった。
親族が少ないのと、誰も案外 通知表の話しなんかしないから ずうっと忘れていた。 「9月30日に前期の通知表をお渡しします」 プリントを読んだ時には、今は前期、後期と分かれているのかと驚いた。 昔は学期の終わりに貰ったので3学期分、3回もらっていたんだけど。
初めての息子の通知表、どきどきしながら開く。 「できました」 「もうすこしです」 の2つで評価されているのだが 全部が「できました」に○が付いている。 出来ている筈は明らかにないと思うので、サービスなのかも知れない。 なんにせよ嬉しい。
先生から学校の活動について詳しく書き込まれている。 読んでみると、息子は積極的に発言し、物事に良く取り組み、一生懸命 頑張って来たらしい。 親としては誇らしい。 「えらいね、Rちゃん。先生褒めてくれているよ」 そう言いながら、何気なく表紙を見る。1年2組 ○○○☆☆
別の子の通知表だあっ
変だと思った。何だか変だと思ったよ。いや、こっちも不注意だけど でも間違って持って来てるとは思わなかったんだもん。 慌てて、先方のお母さんに電話。2人の通知表が入れ違っただけなら まだ良いけれど、何人ものがあっち行ったりこっち行ったりしてたらどうする?
幸いな事に、通知表は二人の物が入れ替わっただけであった。 大慌てで先方さんに持って行く。息子と間違えて読んでしまった事を正直に 言って謝る。「うちは子供が読んじゃって」お母さんは苦笑している。 「どうしてこんな事になったものやら」 「間違えちゃったんでしょうねえ」 参観などで見掛けていたお母さんだが、大層感じの良い方で、お話をする 機会が出来たのはラッキーだ。何事も『縁』と言う事もある。
肝心の息子の通知表を開いてみる。・・・・・・・・・。 大差なかった。だが、先生から書かれていた事に「ゆっくり頑張ってます」 「ゆっくり慣れてきました」と「ゆっくり」と言う言葉が目立った。 際立つ不器用さ。 「朝顔の世話を一生懸命やっていました」 それは良い事だ。
でもやっぱり、初めに見た時違和感を感じたもんなあ。 「ゆっくり」と言う 言葉を見て、やっと息子の通知表だと思った。 「ゆっくり」していると言うんじゃなくて「ゆっくり」しか出来ないんだよね。 それは判ってる。
通知表を間違えた子の家に言った時、お母さんと「それにしても出席番号も 離れているのに、どうしてでしょうね」と話していると、その子が 「オレもRもかんぱい係りなんだよ!なあ」 と言った。
そうだったのか。何をかんぱいするんだろうかと聞いたら牛乳だとか。 ちょっとばかり胃に重そうな乾杯である。
面白いなあ、小学生って。
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