もうちゃ箱主人の日記
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2009年02月04日(水) 上げたり、下げたり…

1895年にセシリア運動の中心都市レーゲンスブルクの出版社から
発行されたUtto Kornmueller編 音楽事典
 Lexikon der kirchlichen Tonkunstは、事実上の「セシリア運動事典」
と考えられている。

その事典の中で、彼らが偶像視したパレストリーナ、ラッススを押えて、
断然の記述スペースを占めるのが、18世紀の理論家で作曲家の
ゲオルク・ヨーゼフ・フォーグラーである。

面白いのは、この記述中に引用されている
オットー・ヤーンによるフォーグラー評で
上げて、下げるところの表現がとても興味深い。


・・・・・・・・・・・

>Vogler war ohne Zweifel eine ungewoehnliche und bedeutende Natur;
er besaß musikalisches Talent, Verstand und Scharfsinn,
und verband mit vielseitiger Beweglichkeit Energie des Willens,
so daß er in Kunst u. Wissenschaft Erhebliches erreichte,
so weit das Technische - im weitern Sinne gefasst - reicht.

Aber wahre Schoepferkraft fehlte ihn,
und dem Denker trat Kuenstler
und dem Kuenstler der Denker in den Weg
.

フォーグラーは、疑いなく非凡で著しい天分の持ち主だった。
彼は音楽の才能と知力、強い洞察力を備えていた。
さらに、意志のエネルギーを多方面に亘る行動力と結びつけた。
その結果彼は、芸術と学問双方に大きな業績を成し遂げた。
広い意味での技術(テクニック)が及び限りにおいて。
しかし彼には、真の創造力が欠けていた。
思索家としての彼には芸術家としての面、
芸術家としての彼には思索家としての面が、彼の道を阻んだ。


もうちゃ箱主人