もうちゃ箱主人の日記
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2008年08月06日(水) 「ルッソーと西脇さんの帽子」

田村以外にも西脇順三郎について触れた
すてきな詩がいくつかあるのを思い出した。
その中でも、
私のとっても好きな次の詩をご紹介しませう。

このルッソーとは
 もちろんジャン・ジャック・ルッソーです。


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ルッソーと西脇さんの帽子  飯島耕一

ルッソーには劇場の改札口が
地獄の法廷に見えたが
西脇順三郎の帽子は
何に見えたことだろう

それはかなりの問題だ
というのも わたしたちは
簡単にルッソーの意見を
聞くことができないからだ

ルッソーは電話などで
悩まされることがなかった
西脇順三郎が電話をしているのを
ニ、三度見たことがある

十八世紀からかなり時が経ったことを
その時感じた
風は西脇さんの帽子の上を吹き 波は
自由人よ と叫んでいたが。


(詩誌『無限29号』「西脇順三郎特集号」1962、12−13頁 )
  →後に、詩集『ゴヤのファースト・ネームは』(青土社、1974年)に
  収録された。


もうちゃ箱主人