ことばとこたまてばこ
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2006年10月25日(水) 露わになった無力

逃げて逃げて逃げて逃げて
どこへ逃げるんだ、いったいどこへ
いいのいいからさあ早く逃げて逃げて逃げて逃げて!


逃げて!


ああ、もう、遅い 雨が 降ってしまった
雨が ざぴゅるざぴゅるざぴゅる と降ってる


気づかないの?
気づいてないわね


降りしきる雨粒ひとつひとつを浴びるたびに
あなたの無防備な裸の無力さが露わになっているのよ

それは灰色なのよ 白くもなく黒くもないの
あけっぴろげにそんな無力な色をひろげだしたまま
気づかず平然とよろめくなんて なんて なんて みっともない!

ひとたびそうなってしまったあなたにわたしができることは
つるっとした視線を流して残酷な事実を言うしかないんだわ
でもだいじょうぶ 誰もあなたを撃ちはしない だから死にはしない
ただし木の棒で灰色の無力をつっつかれると
血が流れ激痛をともなう だけれど それでも死にはしないわ
ひたすらに狂おしく痛いだけなの 死にはしないけれど

誰か一緒に踊ってあげて!びしょびしょに濡れるまで一緒に踊ってあげて!
わたしじゃない誰か!どうか彼と一緒に踊ってあげて!


夜はまだ始まったばかりなのよ!


陽 |HomePage

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