ことばとこたまてばこ
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| 2006年09月09日(土) |
嵐の貧相な家族の食事 |
傘が嵐に吹き飛ばされ雨に濡れる母 ここは緑深い森へ通ずる路上 全身が濡れてゆく母は 深紅の大きい布を頭からまとう まだあたたかい母のふとももに しがみついていたわたしもふわりと布に隠れた 時折荒々しく泥水をはねてゆく車へ 親指一本を持ち上げるけれども 依然として止まってくれる車はなかった
わたしは祈ったの 森の中へ帰れますようにと そう わたしとってもけんめいに 祈ったの
天空から落下して地面に転がっていた星が 豚に喰われ 無事に豚の内臓へ おさまった 天空から滲みいでた夜の闇が おびただしい数の蚊に吸われ 無事蚊の内臓へ おさまった 天空で破裂 炸裂 轟く雷鳴が 母とわたしの頭上に吸い込まれて 無事にわたしたちの内臓へ おさまった
雨に打たれて黒々と でもなお神々しい 母
おかあさん おかあさん おかあさん
おかあさん おかあさん おかあさん
おかあさんおかあさんおか 乳首が見えてる よ
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