日常のかけら
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◇…雨だね◇

雨が降ると三蔵は無口になる。
何だか物憂げで、何処か寂しそうで悲しそうで…かける言葉が見つからない。

ねえ、傍にいてもいい?

雨は優しい歌声で大地を自然を潤し、慈しんでくれるんだよ。
だから、恐れないで。
疎ましく思わないで。

ねえ、三蔵…傍にいさせてね。

窓辺で片膝を立てて、そこで頬杖ついて外を見てる三蔵の傍にそっと近づいて───

「…雨、止まないね…」

かけた声は薄く曇ったガラスに当たって流れた。

(悟 空)

2006年03月07日(火)