日常のかけら
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◇すす払い◇

寺中のお堂の扉と言う扉が一杯に開かれて、そこからもうもうと煙が上がってる。
あれは、煙じゃなくてお堂の中の埃だって去年、三蔵が教えてくれた。
今日は寺の大掃除の日。
えっと…「すす払い」って言うんだってさ。
え、その間、三蔵は何してるかって?
その間は当然お休みで、今、俺の横で昼寝してる。
ここは寺の埃が来ない。
そんで、日当たりが良くて、とても温かくて、冷たい風の殆ど当たらない俺のお気に入りの場所。
ここからは見晴らしも良くて、埃の雲に包まれた寺が一望できる。
三蔵と時々来ては、ここで昼寝したり、話したりするんだ。

あ、笙玄が居た。
うわぁ…埃まみれだ。
これが終わったら俺たちの部屋、掃除するって言ってたよな。
確か手伝えって言ってた気もする…。
と言うことは、笙玄が部屋に戻ってくるまでに、部屋に戻ってないとやばいんじゃね?

い、急いで三蔵起こして戻ってなきゃ…。

(悟 空)

2005年12月28日(水)