日常のかけら
◇お籠もり◇
「臘八大接心(ろうはつおおぜっしん)」は十二月八日にお釈迦様が悟りを開かれた日にちなんで十二月の一日から八日まで、不眠不休で座禅をくむんだって。 三蔵は偉いから下っ端の坊さん達みたいに夜も寝ないで座禅をくむことはないんだけど、監督役?っていうので一緒に禅堂に籠もるんだってさ。 すっげえ面倒臭いとか、このクソ忙しいのにとか文句をさんざん言ってたけど、この座禅は仏教の修行僧にとってはとても大事な修行だからおろそかにはできないんだそうだ。 だから、どんなに文句を言っても、嫌でも三蔵はその修行に付き合うんだって。 座禅の監督をしない時は本堂でお経を上げるのが三蔵の仕事。 結局はみんなとお籠もりなんだよな。 でも、笙玄だけは朝と昼と夜、俺のご飯を作りに特別に戻ってくる。 それでも用意をしたらすぐ禅堂に戻らないといけないから、ろくな離しもできないんだ。 用意をしてくれてる間に、三蔵の様子を訊くと、すっげえ不機嫌な顔で仕事してるって笑ってた。 あと四日。 淋しいけどこれは毎年のことだし、遠くへ出掛けてるんじゃない。 何より三蔵の気配を感じられるから我慢できる。 うん、我慢できるんだ。
(悟 空)
2005年12月04日(日)
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