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2007年05月13日(日) 騎士道

キングダムヘブン(ディレクターズカット版)194分
そこには、中世ヨーロッパの騎士道精神が正面から描かれ、騎士道を貫いた青年の話。でも、あんたが青臭い正義を貫いたせいで、むちゃくちゃな数の人が犠牲になる大戦争を導いたわけで、沢山の人の幸せのために、小さな悪を容認する度量がなかったと言う点で、バリアンは為政者の器じゃないってのが露呈。結局、そのあとの自己犠牲の方法も、青臭い正攻法。彼のその素直さ青さを尊重する周囲の器量も、この物語の深さの象徴なのかな?キリスト教が徹底的にみっともない自己中心主義者の集まりに描かれてしまっているところが凄いです。とはいえ、ここで描かれる騎士道というもの、悪をなすな正義をなせ、民を守れ。という部分が、観る者を痺れさせるメインテーマであり、まるでスターウォーズ(どこかで観た人が見たような役やってますしね、笑)でした。
じつはこの作品、映画館でみて、結構感動したのですが、DVDを買おうか迷っているときにディレクターズカット版がロードオブザリングみたいに凄くなるらしいという噂を聴いて、しばらくがまんして待っていたのですが、昨年待ちきれなくなって、廉価版を買ってしまったのでした。
それが、先週、見つけちゃったのです、ディレクターズカット版を。ちょっと悔しかったですが、迷わず買いました。そして今日、午後から2枚のDVDを堪能しました。すばらしかったです。
物語の導入部、ゴッドフリー(リーアムニーソン)がバリアン(オーランドブルーム)の所へやってくる経緯が丁寧に描かれていたり、バリアンが村をでるいきさつなど、前半しかも冒頭にいろいろ追加があって、物語が非常に分かり易くなっています。きちんと見比べていませんが、後半で戦闘になる前後、カットされてるシーンがあるようにも思います(勘違いかも)。
また、不治の病でありながらもその人柄はすばらしく、類い希なる知性と高貴さと勇気と力をもっていたイスラエル王(エドワードノートン)と、その妹シビラ(エバグリーン美人ですねぇ)。そこへシビラの息子の話(エピソードとしてかなり追加されている?)により、彼女の哀しみをより深く描けていたように思います。
総合してオーリーのセリフまわしには、まだまだ感がありますが、表情はすばらしく、ジェレミーアイアンズ(相変わらずコスチューム物の常連ですねぇ)そしてエドワードノートンやリーアムニーソンなど、脇のすばらしさも相まって、とても面白い1本に仕上がっています。トロイよりもずっと好きな作品です。これではキリスト教側の支配者達はエルサレム王を除いてみんなおろか、むしろサラディン(サラハディーンと発音してました)王側(オスマントルコ?)の方がずっと賢明で誠実。
オーリィ好きにはお薦めの1本。歴史巨編好きにもお薦めです。
オリジナルより長くても飽きさせない秀逸なディレクターズカット版の出来としては、指輪そしてブレードランナー以来の出来です。

地球へ
今週分を整理しようと思って再生しておりましたら、オープニングと本編の間の月刊誌?のCMで非常に丁寧な言葉をまくし立てるナレーション声が森川さんでした。驚異の早口。なかなか素晴らしいです。
キースアニアンが子安君なんですねぇ、それでかな?

web拍手がいつもより多めでした、ありがとうございます。
>子供の反応ってかわいいですよね。
子供の素直な反応は、自分が過去持っていて失ってしまった素直さみたいなものを思い出させてくれたりして、本当に凄いものです。若いというのは羨ましいですね。


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