| 2012年06月26日(火) |
鍵のかかった部屋 最終話 |
榎本・・・。
いやいや、前回のリーガル・ハイみたいな「やられたー!」感は全くありませんよ。
だって最初から最後まで謎めいた人でしたし。
むしろ、あの終始一貫ブレのない生き方が清々しいです。
榎本的美学を見せてもらったというか。
顧客がヤクザだろうが大企業だろうが、パートナーが敏腕弁護士だろうが、
きっちり仕事をこなす以外、取り入ろうとか後ろ盾にしようとか友情育もうとか、一切しない。
防犯のエキスパートとしての自分の知識と技術を頼りに「自由でいること」だけを選ぶ。
芹沢と青砥があんまり面白いものだから(特に芹沢が)、一緒にいる榎本も面白く見えて、
チーム榎本最高! みたいな気持ちになっていたけれど、
考えてみたら、榎本がこのふたりと特に交流があったわけではないものな。
意味もなく距離が近すぎる青砥に、ふつーにどぎまぎすることもあっただろうが、
青砥の犬への賛辞を自分への賛辞と勘違いして、勝手に喜んでその後勝手にご機嫌損ねたりも
あっただろうが、それだけだったし。
そして何より、どれだけ実像が謎めいていようと、
芹沢と青砥の強力な助っ人になりこそすれ、何の迷惑もかけなかった。
(ヤクザがらみのお仕事に関わらせてしまったことはあったけれども。)
最後の事件だって、榎本はやっちゃいけない何かをしたかもしれないけれど、
何かをしたという証拠は何も見つかってないですし。お見事と言うしかございません。
あとに残された芹沢と青砥が、急に寂しくなっちゃってかわいそうな気がする・・・
ような気がしたのは一瞬だけで、あのふたりはあのふたりだけで名コンビだし、
べつにかわいそうなんかじゃないか、と思い直しましたよ。
珍しく鋭い推理をして大得意の芹沢。その芹沢を盛大に持ち上げて、
「では、記念写真を撮ります」とかやってた青砥。
ふたりだけでも面白すぎる世界がしっかい完結しております。
そうそう! 最後の強敵・佐藤学(玉木宏)は、最初の登場シーンの表情では、
なんかもっとドス黒い印象だったのですが、全然ドス黒くありませんでしたね。
不運が重なった感じの生い立ちではあったけど、動機はわかりやすいし
冷酷でも異常者でもないし、ビジュアルはやっぱり邪気の無いオトコマエだし。
榎本の方がはるかにわかりにくいし、ずっとうわてでした。納得のエンディングでしたわ。
さ、今夜はコミーを見納め!
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