書泉シランデの日記

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ハイドンもなかなか
2006年04月13日(木)

ハイドンのヴァイオリン協奏曲3曲とチェロ協奏曲2曲が入った2枚組CDが2000円しないとなれば、そりゃあ買いでしょう。ヴァイオリンはテツラフ、チェロはモルクとなれば、倍値でも買ったでしょうよ。けど、チェロ協奏曲はともかく、ハイドンのヴァイオリン協奏曲なんてあったっけ?

とまあ、そんな風に思える程度にハイドンのヴァイオリン協奏曲は有名ではありません。しかもハイドン作を疑われるものも入っています。(でもモーツァルトだって、1番とか2番とか怪しいものね。)

とにかくあんまり期待はしていなかったのです。

でも、とってもきれいな曲でした。時にモーツァルトかと聞きまがうような輝きを呈しながらも、ハイドンらしく無理のない整った作で、我がひいきのテツラフにはぴったりでした。(カデンツァはあまりに現代的で浮いていたけれど、これはどうせテツの自作でありましょう。)ハイドンって構成をごまかしたら途端にどーしょーもない曲になりそうだし、半端な色気を凝らしても下卑ちゃいそうだから、生真面目なテツらしさが実にいい感じをかもし出します。

チェロ協奏曲はしばしば演奏される作品ですが、これをひくモルクもきっちりかっちりで上々でありました。譜面どおり演奏すればいいというものではありませんが(子どもの発表会じゃあるまいし)、譜面どおりにひき、なおかつアピールする演奏って、確かな知識と技術に支えられた感性の生み出すものではないでしょうか。

ヴァイオリンもチェロも演奏者のスタイルと曲がよくマッチしているんでしょうね。名手ヴェンゲーロフにひかせたら、ハイドンの人格が変わってしまいそうだし、ヨーヨーマも何か企ててハイドンの影を薄くしてしまいそう。(それでもきっとハイドン先生は文句をいわないでしょうね・・・なんせ宮廷楽士だもん。)



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