書泉シランデの日記

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カヴァレリア・ルスチカーナ/道化師
2006年04月06日(木)

新国立劇場4月の出し物です。
見てきました。ともに犬も吐き出しそうな、どーでもいい愛欲のもつれ。特に前者がくだらない、と感じたのは出来のせいですかね。

カヴァレリア・ルスチカーナというとカッコよく聞こえるけれど、『田舎騎士道』という程度のことらしい。元カノとよりを戻した婚約者に対し、主人公が嫉妬して、元カノの亭主に告げ口。亭主と婚約者が決闘して、婚約者が死ぬというだけ。あほくさ。

今日のキャストだと、主人公の女性があんまりおきれいじゃない上に老化も進んでおられて、そりゃあ元カノとよりをもどすわなあ、みたいな思いが拭えませんでした。歌が下手というより、もう旬を過ぎた声で、たくましいばっかで、やっぱ男は逃げるぞ。また男のほうも、あんまり調子上々とは思えず残念。カーテンコールにはブーが盛んに飛んでいました。ブラヴィも負けじと飛んでましたけど。私的には黙って手だけ叩けば十分です。

婚約者が決闘に向かう前に、自分の母親に「おいらが死んだら彼女を母さんの娘にしてやってね」としつこいのです。イタリア娘は彼氏が死んでも姑と契を結びたいものでしょうか。わたしゃ御免こうむります。

『道化師』はよくよく考えれば、主役のパリアッチにかなり同情可能なんですが、まあ、短いからあれこれ感じる前に話が進んでしまいます。でもこれは『カヴァレリア・ルスチカーナ』よりうんとよかった。大村博美さん◎、クリスティアン・フランツ◎、河野克典さんも○、舞台も楽しかったし。



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