書泉シランデの日記

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大人の塗り絵
2005年11月02日(水)

大人の塗り絵、なんてものがあるのである。

しかも何種類も平台においてあったところをみると売れているのだろう。「きいちのぬりえ」ではなく、ボティッチェリ「ヴィーナスの誕生」だの「春」だのゴッホ「ひまわり」だの、という名画ばかりがA4サイズの塗り絵本になっているというしかけ。

なんなんだ、いったい!

しばし考え、ひところ流行った大人のドリルみたいなもんかと想像する。

あの計算ドリルといい、書き取りといい、馬鹿げたものであったが、ついに塗り絵かよ、である。この次はお子様用の迷路に違いない。

どっかのつまらんワイドショー学者が脳の活性化にいい、とでもいったのだろうか。みのもんたが「お嬢様がた」にささやいたのだろうか?

で、誰が買うのだろう?ボケを唯一の敵と怯えるご老人衆?ボケられたら困ると思うご家族?人の足元みやがって、何でも売ればいいと思っている。

大人の塗り絵というなら、せめて原寸大でやったらどうか?どうせなら、黄色だけでも濃淡何色も揃えた色鉛筆でも添えて、まさしく「大人」のやるようにやってみたらどうか?お金はあるんだから、紙じゃなくてキャンバスにしたっていいんだよ、油彩の絵具一式添えたって、本当に欲しい人は買いますよ・・・

子供だましで脳が活性化できるもんですか。いくら使っていたって、老化はちゃ〜んとやってくるんだもの。わたしんちへも毎日来てます。

なんだか幼児退行現象を社会全体で後押ししているようだ。中高年がせっせと台所のテーブルかなんかで塗り絵していると思うとつくづく気色悪い。



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