 |
 |
ヒンズー文字
なにも今更、と思わないでもないが、ちょっとした必要があってヒンズー文字をにわかに覚えることとなった。ただし文字だけである。ヒンズー語を覚えようというのではない。ヒンズー文字というのは、あの、インド料理店などで時々見かけるような、棒からぶら下がったようにして連続する変な字である。
前にハングルをやったときにしみじみと感じたのだが、文字というのは、まずその形状が「文字」であると頭にしみこまない限り、なかなか「文字」にならない。アルファベットは子どもの時からそう認識しているので、あまり覚える苦労はなかったけれど、ハングルは文字だ、文字だと頭にいい聞かせても、○とトや|というただの図形の域から出にくかった。韓国の人がいくら「機能的な文字です、簡単です」といったところで、私の頭は頑迷だったのである。
で、今日のヒンズーは、というと、母音、子音の関係は日本語の平仮名なんかよりはるかにマシであるが、ハングルには負ける。でも、なかなか楽しい図形で、結局、午後一杯費やして、なんとか読み書き可能になった。筆順がまた面白く、上の横棒が最後なんですよ!大体、あのヒゲのはえたような字が自分の手で再生産できることが楽しくなって、お子様気分。
でも、気をつけないと、なかなか格好がとれない。ずるずると間延びしたり、窮屈になったりして、美しいポジションが保てない。それに手も目も何とかこれまでに自分が知っている文字に近づけようと企むのである。さあ、この記憶、いつまで保てるか。毎日、書き取りでもする?
|
 |
 |