『死の蔵書』 J.ダニング また、ミステリー。 古本好きの警官があれこれあって、古本屋になり・・・という話。 わが尊敬する先輩の○とう○とる氏に読ませれば、批判的薀蓄がしばらく続くであろう。本好きって病気だ。私は幸いなことに病的な本好きではない。 ミステリーというのは、頭にストレスをかけないで、集中感のみ感じさせるにはいい道具だと思う。言い方を代えれば、当面の関心事でコリコリになった頭の状態をほぐす、毒をもって毒を制すような役割があるかもしれない。 面白いことは面白かったが、小道具多すぎ、登場人物多すぎ、しかして、いずれもさほどの魅力がない・・・いうなれば、ホテルのランチビュッフェか。 主人公の警官(初め警官、あと本屋)はハードボイルド仕立てのようだけれど、これに限らず、推理小説のハードボイルド的主人公って、なんか自分語りが多くないかしら。1人称小説だとしょうがないというのもわかるけれど、普通、いちいち自分のすることを言葉に代えて意識するかね?人を相手に気のききすぎた台詞も多い。それが魅力といえば、魅力だが、なんかなー、そんな人、おらんで。 推理小説の主人公は自意識過剰のいやな男が多い。 ここらへんをもっと改善できないものだろうか。読み進むうちに、あ〜、この人ってこういう性質なのね、とおのずと感じられるような筆致の推理小説が読んでみたいものだ。 *** 老犬、サーフィン状態。波に乗ったり、沈んだり・・・本日、朝は乗っていたけれど(昨日ほどではない)、どうもぱっとしないようで、緩慢な餓死に向かっているんじゃないか、と気がかり。
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