書泉シランデの日記

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『ランメルモールのルチア』
2005年08月13日(土)

2003年のトリエステ・オペラ引越し公演で見たのと、同じプロダクションで、ルチア(ボンファデッリ)とエドガルド(アルヴァレス)のコンビも同じというのを、これまた同じ2003年のフェニーチェ歌劇場公演をクラシカで放送するという。ルチアというと、ルチア狂乱だけのために見るみたいで、なんかそれほど好きなオペラでもないけれど、昔見た記憶を取り戻さないと損?だとばかりに見た。トリエステのときは、ダニエル・オーレンの指揮だった。

あのときは、やたらアルヴァレスの体が重そうで、キレが悪く、エドガルドというよりは「一本刀土俵入り」のようで音に集中できなかった。

今日、テレビで見ると、さすが映像。アルヴァレスの登場や退場の、のっしのっしした部分はロングでは撮影されない。クローズアップはよく使われ、狂乱の場でのボンファデッリの表情の緩急など、息子をして「怖ぇ〜」といわしめるに十分であった。(ただし、死んだはずのルチアのまぶたがぴくぴくしたり、胸が上下したりするのは分かってしまう。)

ボンファデッリ、達者なもんだなあと思って聞いた。もしかすると歌より演技が達者なのかもしれない。お顔も美しいし、スタイルもオペラ歌手的ではない。あれでもうちょっと声が太かったら、コントラストに凄みがあったのではなかろうか。どこもかしこもか細いのが残念。体はあのくらい細いほうが狂乱しそうだが。

老犬、本復とはいわないまでも、とりあえず、長丁場になりそうなことだけは感じる昨今。とにかく神経質にならないことが、お互いのためかもしれない。目一杯神経を遣ってやったとしても、よかれかしと思うことを実行するゆとりはないのだから。




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