書泉シランデの日記

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ライアン帰国
2005年07月30日(土)

ときどき日記ネタになってくれたライアン、1年間の予定の交換留学を3ヶ月で切り上げて、本日帰国。成田まで送っていってやろうかと思ったが、出発便が遅いし、見送って帰宅すると深夜だということで、最寄り駅までにした。

帰国前に一日くらいゆっくり遊べればよかったけれど、うちも忙しく、息子は発表会と試験と重なり、その直後から合宿で、なかなか時間調整ができないし、ライアンはライアンで、ESSのパーティーだの、ニンテンドーだの、東京ディズニーシーだの、渋谷夜遊びだの、とこれまた忙しい。まったくもー、と結局放置したまんま。

でも会えば、相変わらず「いい子」で、
どでかいくせに幼くて、わが子ならば心配の種になりそう。
3ヶ月で切り上げたのも、
・日本語のクラスが易しすぎる(上級クラスは難しすぎる)、
・英文科の講義を聴いてもわからない(日本語なのだから当然)、
・もっとアルバイトできると思った
というようなことが敗因らしい。要するに互換できる単位はとれないし、遊びすぎるから生活費がなくなった、ということだ。

荷物の中にニンテンドーのソフトが見えるから、「いくつ買ったの」と聞くと、ニッコリ笑って「15か20くらい」という・・・いったい、おまえは何しに来たんだ?

残念ながら、日本語能力にはどう考えても大した進歩はない。多少会話が出来るかなあ、という程度。私との会話は今日も英語で、彼にわかりそうなことだけ日本語で話しかけてやるというかたち。

中国や東南アジアの私費留学生がどのくらい頑張っているかを知っている身としては、呆れてものがいえない。なにしろ、交換留学生だったので、彼は光熱費込み月4万で学校至近のワンルーム(家具・家電付き。浴室乾燥機まで)に住めたのだ(ちょっと調べてみたら、現実には家賃だけで月6万)。学部の交換留学生ってキャンパスの彩りなのね、きっと。大学側に本気で教育する気がないことを今回感じてしまった。なにしろその大学には、日本語の専任がいないのだから、考えてみれば無責任なことだ。ライアンみたいに、割り切って遊ぶ人がいても、それはそれで理解可能。

でもね、やっぱり大人としては、将来のために頑張ってほしかった。大学の授業に不満があるとしても、日本語を教えたいという人はたくさんいるのだから、そういうボランティアを利用して集中的に学ぶことも、やる気さえあれば可能だったはず。アルバイトだって、大人との人脈が出来れば、きっとどこかで英会話の個人教師くらい出来たはず。ひきこもってゲームばかりやってるからダメなのよ、と私がいえば、夫は「白人でも引っ込み思案がいるんだなあ、押しが弱いんだな」と同情的。

今頃は彼の乗った飛行機は滑走路で待機しているかな。何の屈託もなく、嬉しそうに、「明日の夕ご飯は Scotch filletなんだ」と帰国するライアンに幸いあれ、である。




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