書泉シランデの日記

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医者のひきどき
2005年07月27日(水)

最近、左目に虫が一匹住みつき・・・飛蚊症というやつらしい・・・大抵の場合はそう心配しなくてもいいらしいが、今の私の年齢で兄が網膜はく離をしているので、その予兆では、と心配になる。今日、ぽこっと時間が空いたので、眼科に行った。

眼科なんてオリンピック並みにしかいかないから、かかりつけというほどの関係のところはなく、ちょっと迷った。今日は暑いし、新しいところへ自転車でギコギコ行くのも大儀だったので、前に一度行ったことのある、駅から近い老夫婦の眼科医に行くことにした。

受付から診察室の様子が見えた途端、お二人の老先生の老け込みようにギョッとして、「やばっ!」という思いが心をよぎった。4年の月日は老の上に老を重ねても足りないくらい。先生の足元のおぼつかなさ、カルテ記入の遅さ、説明のキレの悪さ、万事万端心配になる。

ようやく順番が来た。もちろん丁寧に見てくださる。「ご兄弟がそれじゃあ、ご心配になるのも無理はないね」と、優しい言葉もついてくる。でも検査の間中、手もと足もと、大丈夫ですか?と声をかけたいくらい。うちの伯父伯母も夫婦で開業しているが、こんな具合なのだろうか、と長いことあっていない伯父伯母のことを思い出しながら、眼底検査を受けた。

瞳孔が開くまでの間、仕方がないから診察風景を見ている(そうそう、プライバシーへの配慮ゼロ)。老人のおしゃべりにも、子連れのおしゃべりにも、それはそれは丁寧な対応で、世に3分診療という言葉があるが、ここでは20分以下ということはない。深刻そうな症状の人は一人もいないのに、だ。先生も患者も会話を楽しんでいる。両先生ともに年寄り独特の話のくどさがあるが、受けるほうも老人が多いから、どうってことがなさそう。子連れは子連れで、話したいことがたくさんあるようで、かみ合わなくても一向に平気である。

私はイライラしていたが、だんだん、自分をここの時間の流れ方にチューニングせにゃいかんのかも、と思えるようになったその頃、再び検査に呼ばれた。そのあと「生理的な範囲内ですよ、虫が5匹、10匹と増えるようなことがあれば、その時で十分」といわれた。でも、ここで「ありがとうございます」とあっさり引き上げてはなんだかいけないような気がして、どうでもいいような質問を2,3して終了。

これで一安心である、といいたいが、う〜ん、もっと若い人にもう一度見てもらおう。スローな医療のよさも感じたけれど、でもね、やっぱりね。



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