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『イル・トロヴァトーレ』 ナポリ・サンカルロ歌劇場
今日のオペラは全然期待しないで行ったのだが、チケット代相応には楽しめた。リチートラ、うまくなったねえ、と感心。陰影の微妙なあわいが実によい。マンリーコをやるには身体の切れが悪いし、色気は不足だが、息子としての表現が切なくて上々。特に終幕、よかったわさ。
『イル・トロヴァトーレ』は俗に、主役3人名手が揃わないといただけない、といわれるが、私的には、これは4人でしょう、である。マンリーコ母者人アズチェーナが悲劇の要ですから。今日歌ったディアドコヴァは劇的歌唱とまではいわずとも、十分満足。
今日は3人は上等だったけど、バリトンのおじさんが能天気な大男で、声もでかくて、フォルテとフォルテッシモしかない暴走系で、役のとらえかたが全然文学的じゃなかった、もちろん音楽的でもなかったと思うが、まあ、前のオヤジは「ブラボー」を叫んでいた。ああいうのが好きな人もいるんだ。勝手にして。
このルーナ伯爵は私のとても好きな役なので、もっと繊細な人格として表現してほしい。力だけでは悪役になるばっかりで、彼の悲劇性が後退する。Il balen のアリアで超がっかりした。あのアリアはフィッシャー=ディースカウの歌うのが好き。
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