土曜日だというのに、国会図書館なんかへ行ってしまい、雨どころか嵐になりそう。・・・国会って昔に比べるとなんて利用者に優しくなったんだろう、と感心する。 出納の人とかOPACのコーナーの監視人とか、学生でもなさそうだが若い人のバイトのようだ。国会図書館の非常勤職員という名目は、ヨーカードーでパートしています、というよりは聞こえがいいけれど、実質そんなにいい仕事とは思えない。退屈そう。出納は手が荒れるだろうし。 現代はどこかで低賃金の単純労働者をふやしている。見てくれのよい分、実態に気づきにくそう。あるいは本質を見るよりは、表層にとどめて自分をごまかすほうが気持ちがいいかも。現代的なスキルを身につけるか、つけないか、人生大違いになる。当然つけなきゃだめだよ。それが自分を守ることになる、とオバサンは思う。 それにしても、こういう場所では昔を振り返りつつ、自分がそろそろ賞味期限切れに近づいていることを感じざるを得ない。色気の多い若いときに頑張った人はえらいです。 帰りにタワーレコードに寄る。家を出るときから、帰りはここだ、と楽しみにしていた。カヴァちんの新譜の情報を知ったので、探しにいったのだ。「それは来月です」と冷たくあしらわれた。ふんっ! せっかくきたので、ボストリッジ×内田光子の水車小屋を買う。昨春の公演のときは情緒過多でノーサンキューだったけれど、CDになったら、それほどでもなく、テナーの高音がとても美しい。柔らかくバターのように伸びる音、とても粉ひきの徒弟とは思えない。前にハイポリオンで録音した盤のほうがいかにもリートらしくはあるけれど、あれはあれで振られても仕方ないほど虚弱な徒弟だった。あのときは大親方フィッシャー=ディースカウが詩の朗読を一緒に入れていたから、顔色を見ながら遠慮しいしい歌っていたのかもしれない。 CDのジャケットなんかどうでもいいというものの、細くて長い二人が眼を閉じている写真なんか止めてほしい。破格によくいえば夢殿観音だが、普通にいえば見苦しい。
|