ようやく一仕事山を越えたので、バレンボイムのリサイタルに行く。 バッハ「平均律クラヴィーア曲集」第2巻という地味な曲目、客の入りは9割届くか届かないか、というところ。地味な年配の客が多い。(コンサートって時々場違いとしか思えない叶姉妹風のオネエサンがいることがあるが、今日はまさにその手の人はいなかった。) 休憩時間はあるとはいえ、正味2時間半ほどのオペラ並みの長丁場。しかもオペラとは違って、延々と似たような(?)曲を引き続ける・・・全然疲れなかった、時を忘れて聞きほれた、といえば嘘になります。技術に無知な上、調性感を持たない私ですからね。 でも、平均律の魅力は垣間見えたような気がするし、グールドよりもリヒターよりも暖かい音のする現代的な演奏だったので、損した、とは思っていません。聴いてよかったのは確か。リズミカルなところだと右足が結構元気よくリズムをとるのであります。(当然音もでる。)メリハリもよく効いて、これには異論もありそうね、というところ。 席がなかなか面白いところで、ステージ右横の2F、バレンボイムの真後ろ。つまり、お背中見ながら聴いたのである。思いのほか悪くなかった。目玉焼きを彷彿とさせるような禿頭をしかと拝見。 噂ではバレンボイム氏は椎間板ヘルニアだとかで、お辞儀が会釈程度だと聞いていたが、お辞儀はそうでもなかった。が、カーテンコールの足取りはふらついていた・・・お疲れ様でした。私も疲れました。
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