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これは店に出さない
以前より存じ上げている先生が退任を機にまとめられた随想集がしみじみと感動的だったので、思わずハガキをしたためてしまった。そこでおのれのボキャ貧を痛切に感じたが、先方はそんなこと先刻お見通しであろうから、気にせず投函。相当な地位にも関わらず、決して派手な振る舞いの方ではないし、bossyな方でもない。それは前からわかっていたが、これを読んで、心の隅々まできちんときれいな方であることを感じた。こういう方にご縁があったことは本当に幸せ。
2、3年前、続けて2度ほどコンサートで偶然ご一緒したことがあった。最初は樫本大進のリサイタル、次がN響×アナスタシアのチャイコンだった。バイオリンお好きなのかしら。
人生なんてもう半分とっくに過ぎてしまったが、尊敬できる年長者にめぐり合うと残りの人生も捨てたもんじゃないなあと思う。世の中、クズも多いけれど、素敵な人もたくさんいるのだもの。自分はどうするか、どう生きるか、みたいなことは、道を悟った人ならいざしらず、私ごとき凡俗の徒は前を歩く人から学ぶしかない。
若いときって、なかなか虚飾と本質の見分けがつかないんだよね。蹴飛ばして忘れちまえばいいようなことで真底傷ついてみたり、かと思えば自分を無謬だと信じて暴挙にも出たり・・・。いやはやしょうがないもんです。私だけってこともないよね?
最初に言及した随想集、シランデの店先には出さないでおきます。貴重書は出し惜しみする恣意的なところ、名うての古書肆を真似てみました。気になる人はお問い合わせくださいね。
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