書泉シランデの日記

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世界の古書・日本の古書展
2005年01月28日(金)

古書を買う趣味もお金もないのだけれど、案内をもらったので、一仕事終えてから日本古書籍商協会主催の展示販売会に行く。六本木ヒルズとは意外な場所。

一番高かったのは、源義経文書(2軸)の7000万!これはほとんど法外な気がする。源氏物語の室町写本の2600万も印象に残る値段。同じく源氏の江戸写本はきれいな表装で1260万。だんだん、感覚が麻痺して、数十万だと安いもんだ、という気にさえなる。

こういう貴重書レベルの展示にはあまり足を運んだことがなかったので(敷居が高いし)、なかなかいい勉強になった。惜しむらくは、あれこれ薀蓄を傾けてくれる先達がいなかったこと。(サ○○さん、是非ご一緒したかったわ。)お金さえ沢山あれば、奈良絵本や絵巻など、まだずいぶんきれいなものが手に入るのだねえ。五山版や古活字も市場に出回っているし、西鶴の浮世草子の美本もまだ流通しているのね(1250万)。図書館にあるのはどれもこれも汚いのに、個人がこっそり大事にしているものの美しいこと。誰が買うんだろう?大学図書館に今どきそんなお金があるのだろうか?宗教法人なら楽勝かな?売れる程度の高い価格なんだろうね。

新しいものでは啄木の手紙の630万には驚いた。内容がいいことはわかるけど、何もそこまでっていう感じ。

外国の古書は見当もつかないので、ほとんど無視。死海写本の小さな断簡が1700万だそうだ。世界全体へのインパクトからいうと、本当に小さな切れっぱしとはいえ安いような気がするな(なんていっても高々義経で7000万)。ファーブルのノートやら草稿のセットが900万、安いのか高いのかもわからない。ワーグナーの手紙210万、シューベルト自筆楽譜1ページだけ262万なんてあたりはどうなんだろう?そのくらいの値段なら買う人はいそうだけど。

私がいずれ欲しいな、と数年来思っているのは、ヴェラムの楽譜1枚ものぐらい。下手なリトグラフを買うくらいなら、断然こっち。額に入れて飾っておきたいものだ。でも、まあ言ってみるだけ。

ともかくも本日は目の贅沢をいたしました。



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