Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 ドイツW杯、日本×ブラジル
2006年06月23日(金)

 サッカーW杯ドイツ大会は今日未明、1次リーグF組最終戦の日本×ブラジル戦がおこなわれ、日本は1−4でブラジルに逆転負けしました。日本は通算1分け2敗の勝ち点1で同組最下位に終わり、2002年日韓大会に続く決勝トーナメント進出はなりませんでした。既に決勝トーナメント進出を決めていたブラジルは3連勝でF組1位。

 4−4−2の攻撃的布陣で臨んだ日本は2トップを巻、玉田の組み合わせに入れ替えました。一方ブラジルは、FWアドリアーノや両サイドのロベルトカルロス、カフーを温存させました。
 立ち上がりから日本は再三ピンチを迎えましたが、川口が好セーブを連発します。そして34分、左サイドの三都主から出たスルーパスを玉田が左足でけり込み、W杯で4試合連続無失点を続けていたブラジルから先制点を奪いました。

 しかし前半終了間際、一瞬のすきを突かれ、ロナウドに頭で押し込まれて同点に追いつかれると、後半は一方的なブラジルペースとなってしまいます。ブラジルは8分、ジュニーニョペルナンブカノのミドルシュートで勝ち越すと、14分には左サイドから持ち込んだジウベルトが3点目。36分にはロナウドがW杯通算最多得点(ゲルト・ミュラーの14点)に並ぶゴールを決め、勝負を決定付けました。

 同時刻に行われた同組のクロアチア−オーストラリアは2−2の引き分け。勝ち点を4に伸ばしたオーストラリアがF組2位で、初の決勝トーナメント進出を決めました。

 まあ、今回の試合は、終わってみればまあこんなもんだろうなあという感じでしたね。前半に玉田が先制ゴールを決めたのは驚きましたが、その玉田が試合後にコメントしたように、あの先制点がブラジルを本気にさせてしまったということでしょう。
 日本は守備の要である宮本が出場停止のためその宮本を含め、クロアチア戦から4人の先発を入れ替えました。前半34分の玉田のゴールは、中盤で攻め上がった稲本が体勢を崩しながらも左の三都主に展開したパスが基点でした。期待に応えた玉田のゴールで、心機一転を図ったジーコ監督のショック療法が奏功したかに見えたんですがね。

 しかし、連係を重んじるジーコ・ジャパンで、試合前に1度も練習していない急造布陣ではやはり限界がありましたね。前半、ブラジルのパスミスをMF陣がカットして前線に送りましたが、前線の巻らとの呼吸が合わず、速攻につながらない場面が目立ちました。
 ジーコ監督も試合後に言っていたように、日本は今回、たくさんのパスミスがありました。もし日本の得意とする速いパス回しが展開できていれば、ブラジルのあせりを誘うこともできたかもしれませんね。

 いずれにせよ、後半は日本の選手の疲労が目立ち始め、ブラジルが勢いに乗ってその格の違いを見せつけ、もはや集中砲火のように日本のゴールに襲いかかってきました。ブラジルFW陣の日本ゴール際での個人技もレベルが違っていて、むしろブラジルFW陣は、日本のディフェンスを崩すのを楽しんでいるかのようにさえ思えました。

 終わってみれば1−4、日本が完敗することは初めからわかっていたのですが、前半に玉田が思いがけずゴールを決めて日本が先制したことで、変に期待してしまいました。しかし、その期待も前半ロスタイムのブラジルの同点弾で、あっという間に消え失せてしまいました。そしてその後のブラジルの集中砲火、もう見ていて痛々しいとしか言いようがありませんでした。やはりなまじ期待してしまうと、負けた時のショックはかなりのものでした。

 試合後、中田がピッチ上に長い間仰向けになったまま、涙を浮かべていた光景が、非常に印象的でしたね。中田にとってはこれが最後のワールドカップになるかもしれませんから、その夢が砕け散った絶望感と悲壮感は相当なものでしょう。中村もインタビューで、悔し涙でほとんど声になりませんでしたからね。

 今はただ、ジーコ・ジャパンにお疲れ様、そしてありがとうと言いたいですね。



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