Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 馬鹿げたPSE法
2006年04月07日(金)

 昨日はあるお方からレコードプレイヤーなどを譲り受けたというお話をしましたが、そもそも僕が譲り受けることになったのは、その方が改築に伴いいらなくなったものや使わなくなったものを処分するという経緯からでした。

 本当はリサイクルショップなどに持っていって引き取ってもらうつもりだったようなのですが、今月1日から施行された「電気用品安全法」、俗に言う「PSE法」によって、PSEマークがついていない、2001年より前に製造された電気製品などの販売が禁止されてしまったので、リサイクルショップで引き取ってもらえなくなってしまったんですね。
 で、引き取ってもらえないのであれば、そのまま放置して解体取り壊しの際に一緒に壊されてしまう運命だったのですが、それではあまりにももったいないということで、僕が喜んで譲り受けることになったというわけです。だってまったくどこも壊れていないし、非常にきれいな状態ですし、何と言っても非常に高価な代物ですからねえ。天下のパイオニア製ですぞ!

 しかし……このPSE法、馬鹿げてますねえ。この法律に対して、坂本龍一氏ら電子楽器を駆使する音楽家ら120人で構成する「日本シンセサイザー・プログラマー協会」が、対象機器の緩和を求めて抗議していますよね。
 この法律に基づき、シンセサイザーなどを含め過去に製造された電気製品の販売が4月以降は禁止されるわけですが、音色にひかれて過去の電子楽器を好んで使うアーティストは多く、こうした機器は中古市場で入手する場合がほとんどなんですよね。しかしこの法律が本格施行された今、個人間の売買を除いて過去の機器を販売できなくなるため、同協会は「専門機器を支える中古機器販売、下取り市場も閉鎖せざるを得ない状況になってしまい、これからの日本の音楽と芸術文化の発展に大きな支障をきたすことになる」と危惧しています。

 僕が今回譲り受けたレコードプレイヤーやその他のサウンドシステムも、状態は非常に良く、まったく問題なく素晴らしい音を表現できるのですが、馬鹿げたPSE法によって販売できなくなってしまったんですよね〜。リサイクルショップなどに在庫としてあるPSE法にひっかかる対象商品は、どうなってしまうんでしょうか。やはり売り物にならないと言うことで、引き取り手がなければ壊されてしまうんでしょうか。もったいないですねえ。

 PSE法の目的は、その第1条によると「電気用品の製造、販売等を規制するとともに、電気用品の安全性の確保につき民間事業者の自主的な活動を促進することにより、電気用品による危険及び障害の発生を防止すること」だそうですが、だからって2001年以前というのは、あまりにも新しすぎます!それに、本当に危険だと思われる昔の電気用品などそう多いわけでもないですし、規制対象の電気用品の中には「名機」と呼ばれる、未だに愛されてやまない素晴らしい機械もたくさん存在しているんですよね。しかも多くの優良なリサイクル業者は「使えるものは使えるまで使おう」という考えに基づいて中古品を販売しているわけで、ものを大切にすることや、省エネルギーにも繋がってくるわけですから、それが禁止されてしまい、なおかつ多くの在庫品が売り物にならなくなってしまったわけですから、大打撃ですよね。

 僕もリサイクルショップなどでたまに見かける、昔の名機と呼ばれたシンセサイザーやその他の電子音楽機器を物色するのがとても好きだったのですが、今後それらの名機が陳列されなくなってしまうのは、非常に残念でなりませんね。今後この法律が改正されて緩和されることを期待しましょう。

 でも、ある意味このPSE法には感謝もしてるんですよ。だって、この法律のおかげで、素晴らしいレコードプレイヤーなどの高価なサウンドシステムをただで手に入れることができたんですから。ぐふふ。



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