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■ リビングデッドな夜
2005年08月05日(金)
……いえ、別に引っ越しの荷ほどき作業に疲れ果てて僕がリビングで死んでいるというわけではありませんよ。「リビングデッド」とは「死してなお生ける者」という意味で、つまりはゾンビのことです。
実はデッキ型のDVDレコーダーを買って、内蔵のハードディスクに手軽に番組を録画できるようになってから、「TV TARO」を見ながら片っ端からWOWOWの観たい映画を予約録画しているのですが、今日のWOWOWはゾンビ映画の特集のようで、1978年のジョージ・A・ロメロの傑作「ゾンビ」、そしてそのホラー映画の金字塔となった「ゾンビ」を現代的な解釈でリメイクした、昨年公開の「ドーン・オブ・ザ・デッド」、さらには「トレインスポッティング」「ザ・ビーチ」のダニー・ボイル監督で2002年に公開されたSFホラー「28日後…」が立て続けに放送されました。
いまや古典となったロメロのゾンビ映画第一作は1968年の「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/ゾンビの誕生」(日本未公開)ですが、今日放送された「ゾンビ」は、その「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/ゾンビの誕生」に次ぐ“リビングデッド”プロジェクト第2弾。 ゾンビが増え続ける中、都市からの脱出を試みるSWAT隊員たちとその仲間。ようやくたどり着いた郊外の巨大なショッピングセンターで得た束の間の平和も、乱入して来た暴走族によって終りを告げてしまいます……。残酷描写ばかりに話題が取られがちですが、友人がゾンビと化す恐怖感や全編に漂う世紀末の雰囲気がしっかり描かれ、極限状況でのサバイバル物としても屈指の出来となっています。
「ドーン・オブ・ザ・デッド」は謎の“病気”に感染しゾンビと化した死者たちと、巨大ショッピングモールに逃げ込んだ生存者たちとの死闘を、オリジナルに負けない残酷描写にユーモアを織り交ぜスピード感溢れるタッチで描いた作品。
「28日後…」は、ゾンビ映画というわけではないですが、感染すると激しい怒りに満たされ見境なく他の人間を襲うようになる新種のウィルスが蔓延したロンドンを舞台に、感染を免れた人々の生き残りをかけた戦いを描くSFホラーです。
まず「ゾンビ」に関しては、製作されたのが1978年ということもあり、ゾンビのメイクアップがただドウランを塗っただけというしょぼいもので、しかも時々流れる音楽がホラー映画に似つかわしくないポップで楽しげなものだったりと拍子抜けしてしまう部分はありますが、それでも銃を撃ちまくってもきりがなく、そのうち弾が切れて集団で襲いかかられてしまう恐怖感や、先程も述べたように自分の友人が襲われてゾンビに変わってしまい、そのゾンビと化した友人を撃たなくてはならない悲壮感などが表現されており、ショッピングモールという、食料も衣服も銃も何でも揃っているが限られたスペースでの立てこもり生活という設定が今観てもとても新鮮に感じられました。 しかし、やはり僕としてはロメロのゾンビ映画1作目である1968年の「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/ゾンビの誕生」の方が秀作だと思いました。この映画はモノクロなのですが、一軒屋に立て篭った7人の男女と怪物の死闘というストーリーはさして目新しいものではないものの、ロメロの客観的で冷徹な演出とモノクロ画面が醸し出す恐怖感は他に類がないと思います。 ふらふらっと頼りなさげに歩き、襲ってくるゾンビが非常に怖いです。闇の中から何体も歩いてくるゾンビの集団も怖いですが、この映画で一番怖いのは、冒頭に墓場で一人歩いているゾンビ。姉弟が会話している奥で一人歩いてるあのカットは素晴らしいと思いました。
(続いちゃったりして……)
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