Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 ウィリアムズの来季は誰に?
2004年06月10日(木)

 F1チーム、ウィリアムズの来季ドライバーラインナップに注目が集まっています。今季はラルフ・シューマッハとファン・パブロ・モントーヤというラインナップですが、モントーヤはすでに来シーズンマクラーレンへの移籍が決まっており、ラルフはチームへの残留を希望しています。
 ウィリアムズといえばフェラーリ、BARに次ぐトップチームとして多くのドライバーがそのシート獲得を狙っていますが、ウィリアムズは「チームが強いのはドライバーではなくマシンのおかげ」という考え方なので、チームオーナーのサー・フランク・ウィリアムズさんはドライバーがサラリーのアップを要求するのを嫌い、実際サラリーアップを要求したドライバーがチームを放出された例も過去にありました。モントーヤはラルフよりもキャリアが短いながら、デビューシーズンの2000年からエースドライバーであるラルフよりも活躍し、それなのにサラリーがラルフの3分の1であることが不満でチームを離れたのではないかと言われています。

 ウィリアムズの来季のラインアップを巡っては、様々な憶測が飛び交っています。現役ドライバーではジェンソン・バトン(BAR)、マーク・ウェバー(ジャガー)などの名前が挙がっており、テストドライバーではアンソニー・デビッドソン(BAR)、アントニオ・ピッツォニア(ウィリアムズ)などが有力視されています。その他、97年にウィリアムズ・ルノーでタイトルを獲得し、99年から昨年までBARに在籍していたジャック・ビルヌーヴや、はたまた2001年に引退したミカ・ハッキネンの復帰説までまことしやかに囁かれており、その注目度の高さを物語っています。

 僕なりに消去法でウィリアムズの来季ラインナップを予想してみますと、まずジェンソン・バトンは元々2000年にウィリアムズからデビューしたドライバーで、2001年にベネトン・ルノー(現ルノー)にレンタルされた立場なので一応古巣はウィリアムズということになるのですが、今シーズンはウィリアムズよりも現在彼が在籍しているBARの方が強くなってきているため、バトンがそのBARを離れてウィリアムズに戻るというのは考えにくいでしょう。
 現在ウィリアムズのテストドライバーであるピッツォニアは、昨年ジャガーからデビューしましたが活躍できず、シーズン途中でミナルディのジャスティン・ウィルソンにシートを奪われてしまったという経緯があります。その後はウィリアムズのテストドライバーに抜擢され、テストではなかなかの速さを見せています。しかし彼の場合、テストではそれなりのポテンシャルを発揮してはいるものの、現在のラルフ、モントーヤと比べてどうかといえばその実力はまゆつばもので、ジャガーでのレースを見てもレギュラーとして使うのはかなり不安が残るため、レギュラーへの昇格はないと思われます。

 ジャック・ビルヌーヴはウィリアムズへの復帰、そしてF1への復帰を強く希望しており、日夜体力トレーニングを欠かさず続けており、最近ヘルメットを新調し、いつ声を掛けられてもいいように準備は万全らしいです。しかしいくら元チャンピオンとはいえ、1年のブランクがあるドライバーをレギュラードライバーとして迎え入れるのは、かなりのギャンブルであると言えるでしょう。ウィリアムズは過去に一旦F1を離れたナイジェル・マンセルを呼び戻してシーズン後半からレギュラードライバーに起用したことがありますが、ビルヌーヴもその時のマンセル同様、起用するのであれば事前にテストをする必要があるでしょう。

 同様の理由でハッキネンのF1復帰も考えにくい話ですね。特にハッキネンの場合、彼自身にF1復帰の意志がなく、またその身柄は未だにマクラーレン・メルセデスの管理下にあるともいわれています。仮にモントーヤ移籍の見返りとして、ハッキネンをトレードさせるという内約がウィリアムズとマクラーレンとの間で交わされていたとすれば、正式発表まで復帰の意志がないとハッキネンがしらばっくれている可能性も考えられますが、その可能性は極めて低いでしょう。

 そうなると、残るはマーク・ウェバーとアンソニー・デビッドソンということになります。仮にラルフ・シューマッハがウィリアムズから放出されたとしたら、来季はウェバーとデビッドソンというラインナップになるのではないかと思っています。ウェバーは、僕の中ではポスト・ミハエルとしてかなり評価しています。現在はジャガーで埋もれていますが、そのジャガーのマシンで最大限の結果をもたらしており、特に予選では時にトップチームをも脅かす存在です。彼がトップチームに移籍したら、ミハエル・シューマッハに匹敵する才能を発揮するのは間違いないでしょう。現役ドライバーでは、ドライバーとしての実力はミハエルに次いでナンバー2でしょう。

 しかし、ラルフ・シューマッハが来季もウィリアムズに残留するとしたら、ラルフのチームメイトはデビッドソンになるのではないでしょうか。なぜならラルフのサラリーはすでにかなりの高額になっており、お金に細かいサー・フランク・ウィリアムズさんはラルフのサラリー分を、安いデビッドソンで浮かそうと考えていそうだからです。特にマーク・ウェバーのマネージャーはあの!現ルノー代表のフラビオ・ブリアトーレですからねえ。高いサラリーを要求されるのはまず間違いないでしょう。

 僕個人としては、ビルヌーヴ+ハッキネンのラインナップが見てみたいですけどね。ダブルチャンピオン経験者で皇帝ミハエル打倒に燃える、うーん、魅力的な構図じゃないですか!


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