Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 拉致問題で家族会議
2004年05月24日(月)

 僕は個人で仕事をしている関係で、昼食や夕食を実家で両親と食べる機会が多いのですが、今日はその夕食の席で、土曜日の小泉首相訪朝について、両親に感想を聞いてみました。

 両親も土曜日の小泉首相の記者会見、そしてその後の拉致被害者、家族会の記者会見を見ていましたが、母は僕と同じような見解でした。(僕の見解は5月22日付の通り)しかし、父の意見は僕らとは違うものでした。父はニュースや新聞をよく見ていて知識も豊富、物事を俯瞰的に見ることのできる人なのですが、その父が「オレが被害者の家族だったら、家族会と同じように『ばかやろう!なにやってんだ!』と言っていただろう」と言ったのです。

 父の見解はこうでした。日本政府はこれまで20年以上の間拉致問題に取り組もうとせず、やっと拉致問題が動き出した現在では、残された家族の多くは高齢で、今の機会を逃したらもう2度と再開するチャンスが訪れないという思いが強い。被害者の家族にとってはもう時間がない、少しでも早く解決させて欲しいと思っている。だから小泉首相や日本政府に強く言い続けて、この問題がうやむやのうちに終わってしまわないように必死に努力している。だから家族会が自己中心的に今回の日朝首脳会談の結果に失望し、怒りを露わにするのは当然。被害者の家族たちは、この問題が今後も継続されるように必死でアピールしている。

 父の話は、とても理にかなっていて納得のいくものでした。しかし、それでも僕の考えは、やっぱり変わっていません。もちろん被害者の家族にとっては時間がないのは確かです。僕も自分の家族が北朝鮮に拉致されて行方不明になっている身だったら、同じように日本政府の対応に憤慨していたかもしれません。ですが、そういった個人的な感情を抜きにして、客観的な視点から見た場合、やはり土曜日の家族会の会見のように、小泉首相に対してあそこまで批判するのは賢明ではないと考えています。

 日朝首脳会談では、「達成できたこと」と「達成できなかったこと」の2つの要素があります。その後者のことだけを今の時点で批判することで、世論は日朝首脳会談が「失敗」だったという見方に変わってしまう恐れがあります。そしてそれは国会でも影響を及ぼすでしょう。小泉首相が野党に、あるいは自民党内でも批判を浴びることになれば、政治家としての責任をとって小泉首相が辞任せざるを得なくなってしまう危険すらあるのです。

 今、拉致問題や日本が抱える多くの問題を少しずつ解決していこうと思うなら、小泉首相が辞任してしまうという事態は、あってはならないと考えています。日本は与野党がお互いの足を引きずりあって、ただ政権獲得のことだけしか頭にないから、国のトップが節操なくコロコロと入れ替わって長期的な政策の実現を困難にするのです。1人の実行力のある総理大臣が、じっくり腰を据えて政策に取り組んでいくことが、今の日本にもっとも必要なことなのです。僕は自民党も民主党も好きではありませんが、小泉首相には期待しています。この人ならきっと日本を変えてくれるに違いないと信じています。実際、日本は少しずつですがいい方向に変わりつつあると感じています。


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