Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 伝統のモナコグランプリ、いよいよ開幕!
2004年05月20日(木)

 2004年F1世界選手権シリーズ第6戦モナコグランプリが、モナコ公国のモンテカルロ市街地コース(1周3340km)で現地時間の今日、いよいよ開幕しました。通常F1グランプリは木曜日に定例記者会見が行われ、金曜日にフリー走行、土曜日に予選、日曜日に決勝というスケジュールなのですが、モナコグランプリに限り金曜日にサポートレースが行われるため、水曜日に定例記者会見、木曜日にフリー走行が行われます。今日は午前・午後2回のフリー走行(各1時間)が行なわれ、フェラーリのミハエル・シューマッハが両セッションでトップタイムを記録。今回のモナコグランプリでF1では前人未到の開幕6連勝、故アイルトン・セナの持つモナコ通算6勝の記録に向けて好スタートを切りました。午前のセッションでM.シューマッハにコンマ777秒差の2番手タイムを記録したBAR・ホンダの佐藤琢磨は、午後のセッションでトップからコンマ923秒差の7番手タイムを記録しました。またBARのテストドライバー、アンソニー・デビッドソンがフェラーリの2台に割って入る2番手のタイムを記録し、BARの好調さをアピールしました。

 1929年(昭和4年)4月14日に初開催され、今年で62回目を数える伝統のモナコグランプリは、フランスのル・マン24時間耐久レース、アメリカのインディ500と並ぶ世界三大レースのひとつとして数えられています。モナコグランプリはご存じF1唯一の市街地サーキット、地中海の美しいコート・ダジュール(紺碧の海岸)に面したリゾート地を背景に、ガードレールをかすめるように高速で走り抜ける、超難関のエクストラ・グランプリです。そのコースの難度の高さから、モナコグランプリで強いレーサーは『モナコ・マイスター(モナコ職人)』として特別な視線を送られます。また、モナコグランプリでの一勝は、他のグランプリの一勝よりも大きく評価されますし、表彰式も他のグランプリとは違い、表彰台がなく、公国の王室から直々に勝利者へのトロフィーが渡されのです。

 さて、Barでみるくねこさんから「そもそも、どうしてモナコの町ん中で走るようになったんですか?」という疑問を頂いたので、僕もいろいろと調べてはみたのですが、残念ながらその答えに行き着くことはできませんでした。ただ推測するに、モナコの経済基盤は観光、最大の財源はモンテカルロ地区にあるカジノの収益で、モンテカルロは「娯楽の街」としても知られているため、当時の王室が豪華なイベントのひとつとして、モンテカルロの市街地で自動車レースを開催しようと考えたのが始まりだったのではないかと思われます。

 ちなみに、F1グランプリが初開催されたのは1950年なので、それ以前のモナコグランプリは普通自動車かそれに近い自動車によるレースが行われており、当然最高速度も現在のF1と比べると、当時の自動車の性能を考えても相当遅かったのは言うまでもないでしょう。つまり、モナコグランプリが初開催された1929年当時では、市街地で自動車レースを行うという発想はそれほど奇抜なことではなかったということです。驚くべきは、最高速度が300km/h以上に達した現在のF1マシンで、今もなおほぼ当時のままの市街地コースでレースが行われていると言うことでしょうね。モンテカルロは変わらず、レースをする自動車だけが、年々速さを増してきたというわけです。つまりその分、長いスパンで考えると、年々難易度も増しているということになりますね。


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