Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 F1ヘレステスト最終日
2003年12月12日(金)

 スペイン・ヘレスで行われていたF1合同テストは第5日目の最終日を迎えましたが、今日はミシュラン勢だけが残り、ヘレスのコースを人工的にウェットコンディションとし、ウェットタイヤのテストを行ったようです。参加したのはウィリアムズ、マクラーレン、BAR、ジャガー、そしてトヨタの5チ ーム、各1台ずつでしたが、何とこのテストで005を駆ったBARの佐藤琢磨が、ウェット路面をトータル107ラップ周回、1分27秒234というベストタイムをマークし、絶好調のマクラーレンの新型車MP4−19を駆るデ・ラ・ロサにコンマ755秒差を付けて初めてトップで締めくくりました。

 以前にも書いたようにBARは、今年の最終戦日本グランプリで突然タイヤをブリヂストンからミシュランにスイッチすると発表し、せっかく来年から佐藤がレギュラードライバーとして走るというのに今まで蓄えてきたブリヂストンタイヤのデータを全て破棄し、再びミシュランタイヤでのマシン開発を1からやり直さなくてはならないのではという懸念があったにもかかわらず、ドライコンディションではフェラーリのF2003GAよりも速いタイムをマークして期待させる仕上がりを見せていました。

 しかし雨に見舞われたテストでは一転、ジョーダンよりも遅いタイムしか出せず、やはりウェットコンディションではまだまだ課題が多いのかと思いきや、今回の最終日にはドライコンディションでは連日に渡ってコースレコードを更新していた、マクラーレンの新型車MP4−19を抑えての堂々のトップタイム、来年のBARは大いに期待できそうですね。

 それにしても、オフシーズンのテストで日本人ドライバーがトップタイムをマークするのって、今回の佐藤琢磨が初めてなのではないでしょうか?いつもなら同じBARでもエースドライバーのジェンソン・バトンがトップタイムをマークしそうですが、今回のテストではバトンは参加していなかったこともあり、その栄光が佐藤のものになったようです。
 BARは来シーズン、トップ3を目指すと息巻いていますが、その自信もあながち非現実なものではないような気がしてきました。こうなると、今シーズン限りでBARのシートを喪失したビルヌーヴにとっては、失望感はさらに増すことでしょうね。今までまったく進化しなかったマシンが、自分が去った後でようやく進化の兆しを見せているのですからね。フィジケラもベネトンから離脱した翌シーズンに大きな進化を遂げてしまいましたが、やはりいいマシンに巡り会えるかどうかというのは、本当に運次第なんでしょうね。

 あるいは今回のBARの急速な進化は、それまでマシン開発の足かせとなっていたビルヌーヴのサラリーがなくなったことで、その分をマシン開発の資金に回した結果なのでしょうか。


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