Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 今クールのドラマを斬る(その2)
2003年11月25日(火)

 昨日の続きです。渡部篤郎主演の「恋文」は、元美術教師で頼りないけど純粋な男(渡部篤郎)が、昔付き合っていた恋人(和久井映見)があと半年しか生きられないと知り、妻(水野美紀)と子供の了承を得て命ある限りそばに付き添うというドラマ。残りわずかな人生の中でひとときの幸せを見いだした和久井と、その和久井が去りゆくことにいとおしさを感じる渡部、そして渡部の従姉妹と偽って和久井と接しながら、複雑な思いに駆られる水野、3人の心境が絡み合うちょっと変わった恋愛ドラマです。繊細に作られている作品ですが、渡部篤郎は相変わらずアンニュイさを醸し出しています。

 「トリック」は様々な超能力や霊能力のトリックを暴く仲間由紀恵と阿部寛のお話。その手の本を多数出版する専門家阿部の元に寄せられる依頼を受け、2話ずつの構成で進められるドラマですが、このドラマは力を抜いて単純に楽しめるドラマだと思います。手品の参考にもなりそうだし、出てくる超能力者や霊能力者が皆揃ってインチキ臭く、それらに対する仲間由紀恵の鋭いツッコミがなかなか面白いです。これ見よがしに仲間由紀恵が「貧乳貧乳」と言われ、仲間本人も開き直っているところが笑えます。

 シングルマザーの観月ありさがニュース番組のお天気お姉さんを演じる「明日天気になあれ」は、相変わらず観月は初めは何も知らない世間知らずの馬鹿っぽい役ですが、そんな観月がいろいろな人に支えられ教えられ、前向きに成長していく様には好感が持てます。しかし……最近観月はこういうパターンのドラマが多いのは気のせいか?しかし観月のブリッ子演技は、狙ってわざとらしく演じているので許せる。彼女は喜怒哀楽の表情が本当にわかりやすいと思います。

 山崎豊子原作の小説をドラマ化した「白い巨塔」は、大学病院での教授の地位を巡るすさまじいほどに醜く混沌とした人間模様をシリアスに描いた大作ですね。キャストも唐沢寿明を主役とし、江口洋介、黒木瞳、伊藤英明、西田敏行、石坂浩二、矢田亜希子、水野真紀と蒼々たるメンバー。退官を控えた石坂浩二の後継者になるべくずっとその下で学んできた外科医で助教授の唐沢と、その唐沢の医者としての天才的な技術に嫉妬する石坂、この2人の確執が回を重ねるごとに大きくなり、とても面白いですね。うーん、やっぱり医者物のドラマには毎回そそられてしまうなあ。今クール最も注目しているドラマです。

 高尾山山頂の団子茶屋の娘、飯島直子と深田恭子のそれぞれの恋愛を描く「ハコイリムスメ」は、散々恋愛と失恋を経験し、挙げ句の果てに子供まで作ってしまい、1人で子供を産んで育てると実家へ戻って来た飯島と、まだ学生で恋愛のことはほとんどわからず、それでも家を出て独立したいと思っている深田の恋愛観の違いが伺えます。そしてそんな娘たちをいつも心配し頭を悩ませている頑固親父地井武男、いつも怒鳴ってばかりだが、それが不器用な愛情であることがよくわかり、何でもお見通しだが暖かく見守ってくれる母親と共に、なかなか心温まります。飯島のお腹の中に子供がいることを知りつつ心惹かれる、証券会社勤務のわりにやたらピュアなエリート外人、そして深田と付き合っていたが事故により深田の記憶を失ってしまった吉沢悠、この2人との関係が今後どうなっていくのかも気になりますね。そんな2人の恋愛を、周りから冷やかしてはやし立てる役は勝村政信と古田新太におまかせ!

 うおー何だか書くネタがないのでドラマの話でも書こうと思っただけなのに、えらいボリュームになってしまった……。ドラマに興味のない方ごめんなさい。


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