Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 書くことの喜び
2003年04月10日(木)

 僕も「マツダイラ」や「それマコ」をHPで書いていますが、物語を書くというのは、実に楽しいものです。アイディアが浮かんでくれば文章は流れるように出てくるし、書きながらさらに想像力を膨らませ、自分の世界を作り出していくことができます。「マツダイラ」では、キャラクターにこんなシブイセリフを言わせてみたい、こんなシュチュエーションにキャラクターを置いてみたい、はたまた絶対に自分では実現しないようなことをやらせてみたい、などと自分のしたいことをキャラクターたちに自由にさせることができるし、何といっても読者に少しずつ伏線を与えていって、そのタネを少しずつ明かしていくという醍醐味もあり、物語を書く者は、その物語の世界では「神」になることができるのです。
 ただし、そこで作者がキャラクターたちを何にも考えずに好き勝手させるのではなく、いかにそれぞれのキャラクターにそれぞれの性格や人格を与え、作者の性格や人格ではなく、あくまでそのキャラクターの性格や人格という、いわば「ルール」に乗っ取ってキャラクターを描き、物語を形成していくかで物語のリアリティや質は格段に変わっていくと思います。つまり物語を書く上で、あらかじめ自分で設定した各キャラクターの性格、人格に基づき「こいつならこうするだろうな」という推測を基にキャラクターを行動させるのが、また物語を書く醍醐味でもあるわけですね。

 「それマコ」は、そう言う意味では物語のリアリティや質は全くないと言ってもいいですが、あれはあれで、本来ならボケとツッコミが揃わなければできない漫才や、何人かいて、しかもそれなりのシュチュエーションや舞台がなければ成り立たないコントを、キャラクターたちを使ってやらせているのです。つまり作者である僕は、差詰め「それマコ」というお笑いバラエティ番組のプロデューサーということになるわけですね。僕は「それマコ」で、ふと思いついたコントやギャグを披露しているというわけです。「マツダイラ」と「それマコ」はまったく異なるものですが、キャラクターを自由に操って何かを表現するという意味では、やっていることは同じことなのです。

 よねさんのHPで公開された「子供たちは夜の住人」も、作者自身が実に物語を作ること、そしてキャラクターを自由に動かしていくことを楽しみながら、伸び伸びと書いているなあと思いました。まず自分自身が楽しまなければ、読む人を楽しませられないですからね。読んでいて驚いたのですが、おおよそよねさんのイメージとはかけ離れた、独特の世界観がそこにはありました。おそらくそれは、僕たちが掲示板などで知っているよねさんとはまた別の、内なるよねさんの世界観なのだと思います。よねさんという「神様」が、よねさんの作り出した世界をどのように作り出していくのかがとても楽しみです。自分の今の日常が真実だと思いこんでいるあなた、実はそれは作られた現実で、実際は全く違った、あなたの知らない本当の現実が隠されているかも知れませんよ。よねさんの物語は、そんなミステリアスな物語です。ぜひ読んでみてください。


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