| 2006年09月09日(土) |
反芻中(絶賛ネタバレ中) |
引越しの準備があったので、 今日初めて会社にジーンズで行ってしまいました。 「倉庫にもっていくもの」「移転先にもって行くもの」「廃棄」のみっつの部屋に振り分けて、事務局のものを運んでいくのですが、これが。 持って行く部屋は20メートルほど先で、ダンボールひとつ二つなら、見た目チビなあたしでもちょろいのですけど、これが15回も20回も続くと……へとへとに疲れました。 特に重いのは紙だね。(笑) ひとつではなんの重さも感じないけど、大量になると持ち運べません。 民衆の声と同じさ。(え?笑)
そして、「これはこれ、あれはあっち」という機械作業をしていく肉体労働では頭の中は暇だったのでいろいろ『夏夢』の反芻してました。
3組のコイビトたちと、1組の夫婦がでてくる話で、話の内容だけをみるとドタバタですよね。 今まで観てきたライフの個性にあってない気がしたけど、それも新しい魅力になるのかなと観るまでは思っていたのだけど、 「好き好き大好き」を連発する若いリピドー炸裂なコイビトたちや、喧嘩しても根底では年月と信頼が分かち合う夫婦たちに比べて、 『結婚することを決めているのに一歩踏み出せない境界線のコイビトたち』なシーシアスとヒポリタに焦点があたっていて、これが芝居をぎゅっとしめていた気がします。 これはパンフでも松岡さんと倉田さんが力説しているところで、松岡版の訳書にもかなりきっぱりかいてあることなんだけどね、彼女らの意図にちょっとやられた。(笑)
まずシーシアスは「あなたを求めるに剣をもってした」みたいなこと(ネタバレなのであえて松岡訳ははずしました)を言い切っていて、 国に攻め入ったか、二人で決闘しあって、国を受け渡すことを決めたかみたいなことを相当あからさまに言っているのが、 そういう権力をはっきり言葉にするのを嫌う日本人にはものすごく抵抗があたしにはあったのだけど、 でもね。 ヒポリタがそれでも凛としてプライドを失わずに結婚することを決めているのは、 カノジョはシーシアスにそこで言われても愛されているのを知っているからじゃないか? または、愛しているのではないか? でもなんとなくきまずいまま……な感じな結婚4日前なのだけど、パックと妖精たちがかけた夏の夜の夢は、魔法にかけられた恋人たちとボトムたち(生涯一日6ギニー?もらえるもん)だけでなく、 その近辺にいる人々(公爵と婚約者)、 はたまた長い目でみれば、それの支配下に置かれる人々たちの幸せまで網羅しているみたいな結末に通じたみたいにみえた。 「かなしい結末にならないように」
『夏の夜の夢』がうたかたにならない確かな手ごたえを、自分の前途と見えないところにいるかつての民衆(アマゾン)の前途を思っているヒポリタの言葉が暗示する。
パックの「一夜の夢」を先に皮肉る言葉になるパラドックスで不思議な陶酔感が倉田版の『夏の夜の夢』なのかもしれない。
|