ドミノ倒しをするつもりで並べて一気に倒し、でも途中で止まってしまうと、結局そこからもう一度倒しませんか?
そんな気がした3時間30分。 新橋演舞場『和宮様御留』。 新派。 一昨年花組芝居で上演したものに手を加えたものらしい。 貰ったチケットで、とりあえず、植本潤さんと水下きよしさんがでるのでラッキー。 外部出演も華やかな植本さんはともかく、 今はジジイですが、水下さんはシッタルダをしていたころから好きなんです〜。(高根系推進委員会)
そのくらい軽いきもちでいったけど内容は昔小説も読んだし、テレビドラマとかで把握済み。 さすぺんすもの? 運命に流される女の子の話? と思っていたけど大間違いだった。
ドミノ倒しをはじめたひとたちが、 途中で挫折しそうになるできごとがあって、 でももう、それを誰も止めることができなくて、 いろんな人が仕方なく、理不尽と分かっているままに無理に歯車を押してしまう話でした。
なんだかやるせないね。 理不尽にいわれた婚礼話への抵抗として、実のお兄さんに普通に見せられるくらいの軽い気持ちで自分の娘の身代わりを作ったはずなのに、 ひとりの女の子が狂乱するまでの事態になってしまう。 そして事故で死んでしまう。 次の身代わりをみつけるために、皇族がたでは身分も低いけど、一番世間の動きにくわしい岩倉を巻き込むことになる。 事情を知っているにんげんは抹殺。 もう、誰もとめることはできない歴史が動き始める。
「自分の娘が武家に嫁にいくなんて!」 という単純な感情でみちすじを最初に作った和宮の母(池畑慎之介)と、その部下(波野久里子)に比べて、宮廷から派遣された尚待の継子(小川真由美)は現代的なビジネスガール。 一生転勤のない普通の総合職のつもりで入ったのに、「あなたしかしないから」と京都から江戸に行く役目をお金をふくめて、使命感も周りから固められて押し付けられて、とまどい気味であったり、いやな気分がしたりなはずなのに、そのうち偽の和宮という存在を守ることが本筋な仕事になっている矛盾。
自由な祇園祭りを夢見る気のふれたフキ。 侍をまっとうする重五郎。 彼の言う、あいまいで見えない未来を信じる宇多絵。 そんなものを凌駕するほど、理性に支配された官僚的な世界に人々がずらり並ぶラストシーンは壮観すぎて悲しい。
「私、宮様やおへん」 心のタガをはずすまで、にこにこして世間をうけいれてしまって、いえなかったフキと、 それを言わせなかった世界がもっと悲しい。
フキ。 テレビでは竹下景子さんと斉藤由貴さんと大竹しのぶさんがやった役らしい。 大竹さんのだけ記憶にあるんだけど、あとは知らなかったなあ。 つうか、この二人今、嫁姑な「我輩」じゃん!(汗)
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