| 2006年06月04日(日) |
『Lips』 本田美奈子 1986.6.4 |
本田美奈子さんの丁度20年前に発売されたセカンド・アルバム。 アイドルとして一番絶頂期のアルバムだったのでしょう。
アイドルとしては限界ぎりぎりまでのセクシーさだったけど、 その歌の上手さとリスのようなかわいらしさのおかげで 全くいやらしくなかったと私は思う。 それにあの細い痩せた体で、あんな声がでるんだなと 当時からずっとそのすごい体力と気力に驚いていた。
このアルバムも声に抑揚があり、 伸びた声が急降下していく歌い方が私はとっても好きだ。 「YOKOSUKA」「あたしはあたし」というフレーズは当時のつっぱりアイドル系の言葉だ。 曲も筒美京平さんの曲があり、わかりやすく耳に残りやすい楽曲ばかりだ。 「1986年のマリリン」がシングルとは違うアレンジで収録されている。 歌がだんぜん大人っぽく、アレンジも大人しくなっている。 歌の上手さがますます際立っている。 「スケジュール」という曲はアイドルによくある 忙しすぎて自分の時間がない、 スケジュールなんてほっぽりだして、 好きなようにしたいという歌だ。 この歌では最後の方でとてもきれいなソプラノ風の声を出している。 後のミュージカルやクラシックの声を予感させる声だ。 こういう内容の歌はたしか聖子ちゃんも全盛期に歌っていた。 どの曲もありきたりと言えばありきたりともいえるけど、 ハードな演奏にぜんぜんひけをとらない美奈子ちゃんの歌唱力の深さは底なしだと思う。 私個人としては急降下する発声が大好きなので、ソプラノの美奈子ちゃんよりも、ロックな美奈子ちゃんの方が好きだ。 たとえありきたりな曲であっても、おなかの底から声を出す歌唱が曲自体を数ランクあげていると思う。
それにしても、こんなに低音に安定感があり、 そしてあれだけゆるぎない高音を出せる歌手は他にはいなかっただろう。 本当に安心して歌の聴ける歌手だった美奈子ちゃん。 底なしに歌が上手かった。 ロックな美奈子ちゃんも私は大好きです。忘れません。
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