私の音楽日記

2006年04月30日(日) 『瞬間(とき)』  小椋佳  1980.

『瞬間(とき)』は私が小椋佳さんのアルバムで一番好きなアルバムです。
小椋さんの歌との出会いは高校の音楽の授業で習った「しおさいの詩」でした。
その時は音楽の授業で習って歌っただけだったので、歌っている人のことは知りませんでした。
後の小椋佳ブームの時にはじめて知りました。
その頃は特に小椋さんの曲が好きではなかったのですが、このアルバムの作品は全部大好きです。

タイトルにもなっている「熱い瞬間(とき)」は何かに感動しているその一瞬を歌にしています。

   くしゃくしゃな笑顔で
   泣いている人がいた
   こみあげる 歓びに 抱き合う人がいた
   私も追いかけよう そんな熱い瞬間を

高校野球の優勝の瞬間かなとその頃の私は思いました。
当時、小椋さんは36歳。今と違って36歳の人は大人でした。
特に小椋さんは人生の色んな事を早くから経験されて、大人の中の大人って感じでした。
大人の小椋さんがこんな風に感動の瞬間を歌にした事に私は感動しました。
やはりこの人の書く詩はただの抒情詩では収まらないと思いました。
かと思えば「二人こうして」は本当にゆったりとした愛の歌で
   
   捨てられないものは
   何 ひとつ ありません
   あなた いがいは

恥ずかしげもなくあっさりと歌っています。
考えれば、捨てられないものはあなた以外にあるはずです。
なかったらおかしい。
しかし、なぜか小椋さんのあの声で聴いていると、
素直に聴けるのです。

私にとって小椋佳さんの歌詞は歌詞というより詩に思えて、
歌詞カードは詩集です。

病気を克服して活動を続けている小椋佳さん。
すごいなあと思わずにいられません。


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