| 2006年01月22日(日) |
「東京の空の下あなたは」 山口百恵 1977. |
この曲は2003年に突然「山口百恵の21年振りの新曲」と歌われて『MOMOE PREMIUM』というCD−BOXの最後に収録された曲。 いわゆるお蔵入りになっていた曲でまだそんな曲があったんだなあと驚いた。 そしてこの曲はNSPの天野滋氏作詞作曲だ。
アップテンポな曲だけど 「東京の空の下のあなたには私の気持ちはわからない」とか 「バカね バカね バカね 私は」というくだりはまるで演歌のようだ。
しかしあの百恵節で歌うと演歌ではない。 ちょっと影は感じるけど泣いてないからだ。 あくまでも、山口百恵の少し翳りのある歌謡曲になっている。 そしておそらくこの曲を天野君が歌っていたなら、NSPの曲になっていたんだろう。 私にはこの細かいアップテンポの曲を百恵ちゃんの声で聴いていても、天野君の声が時折重なって聴こえてくる。 アイドルの初期の歌はあまりに幼すぎて聴くのもはずかしくなるような曲が時々あるが、百恵ちゃんは宇崎、阿木コンビが歌を作るようになった頃から歌声にも力が入ってリスナーをひきつける歌手になっていった。 引退の頃は美しさを増して、華やかで煌びやかで何を歌ってもスターだった。
私はこのお蔵入りした「東京の空の下あなたは」が良いとか悪いとかどちらかわからない。 ただ、天野君らしい細かいストロークの調の曲と、淋しげな詞で百恵ちゃんをイメージして書いたのだなあと思い、その頃のNSPの歌を思い出した。 そうそう、あの頃天野君の書く曲は細かいストロークで、あまり抑揚のない曲が多かった。 あまり抑揚のない百恵ちゃんの声や表情に天野君が書いた歌はあっていたのだ。 百恵ちゃんも淡々と、しかし一生懸命歌っている。
もともとNSPはフォークにどっぷり浸かっているグループではなくて、 たまたまヒットした曲がフォーク調だっただけで、ジャンルはないような不思議なグループだった。 この「東京の空の下あなたは」を聴いていると、曇り空を見上げている百恵ちゃんの姿が浮かんでくる。
今となってはこの曲が最後までお蔵入りせずに2003年に陽の目を見たということは良かったと思う。 きっと天野君もこの曲が発売された事にうれしさを感じただろう。 活動期間が短かった百恵ちゃんに、隠れた音源がまだあったとは芸能界はやっぱり不思議な世界だ。
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