ポーの小説にでてくる女性は魅力的だ。 憂いがあり、はかなげで、神秘的。 今日読んだ「エレオノーラ」。 この作品はノヴァーリス「青い花」を読んでいるようだった。 奥深い谷間に住む私とエレオノーラとその母。 幼馴染の二人の愛が生まれる瞬間の表現がいい。
「私たち二人は蛇のような木の下で、互いに強く抱き合いながら、 自分たちの姿の映っている無言の川の水を見下ろしていた。
私たちはその川の水から恋愛の神エロスを呼び出したのだった。 そして、今、エロスが私たちの祖先伝来の情熱的な魂に火をともすのを感じた。」
静かな時に潜む情熱。
この作品のBGMはドビュッシー「ペレアスとメリザント」が 似合う。
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